[9.5 W杯最終予選 日本 7-0 中国 埼玉]
日本代表は5日、北中米W杯アジア最終予選第1戦で中国代表と対戦し、7-0で圧勝した。前半12分にMF遠藤航が左CKから先制ゴールを決め、同45+2分にMF三笘薫が追加点を奪うと、後半の早い時間ににMF南野拓実が2ゴール。さらにMF伊東純也も復活を告げるゴールを決めるなど、攻撃陣が大爆発を見せ、2大会連続で落としていた最終予選初戦で3大会ぶりの白星を収めた。
日本は6月シリーズに続いて3-4-2-1のシステムを採用。GKには鈴木彩艶が復帰し、3バックは左からDF町田浩樹、DF谷口彰悟、DF板倉滉が並んだ。ダブルボランチは遠藤とMF守田英正が組み、ウイングバックは左に三笘、右にMF堂安律を並べる攻撃的布陣。シャドーは左に南野、右にMF久保建英が入り、1トップはFW上田綺世が務めた。[スタメン&布陣]
試合はキックオフ前から波乱の幕開け。選手たちが整列を終えてポジションに着き、場内にはカウントダウンが始まったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の機材トラブルで試合が始まらない。選手たちはボールを使いながら身体を動かし、約5分遅れでキックオフを迎えた。
やや落ち着かない立ち上がりとなった日本は前半6分、谷口から左サイドにロングフィードが入ると、三笘がゴールラインギリギリで残し、カットインから鋭いクロスを供給。惜しくも上田には通らなかったが、最初のビッグチャンスを迎えた。さらに同9分、右サイドで久保が相手のクリアをカットすると、ドリブルから左にパス。三笘が縦に鋭く仕掛け、スタジアムを大きく沸かせた。
前半11分には絶好のシュートチャンス。右サイドの大外でボールを受けた久保がカットインから鋭いクロスを送ると、ペナルティエリア内に入っていた堂安がヘディングで狙う。だが、これはGKワン・ダーレイのスーパーセーブに阻まれた。それでも直後の12分、この左CKから先制点。久保のキックに遠藤が頭で合わせ、ゴール左隅に突き刺した。遠藤は今年1月のアジア杯イラク戦(●1-2)以来8か月ぶりのゴール。国際Aマッチ通算4点目となった。
その後はビハインドとなった中国の勢いが増し、セットプレーから攻め込まれるが、ゴール前に人数をかけてピンチを処理。日本も三笘の左サイドから攻撃を仕掛け、前半20分にはクロス攻撃から南野がヘディングシュートを放つと、右のスペースが空いた同24分には久保のカットインシュートが枠内に飛んだ。
日本は前半33分、町田の鋭い縦パスを上田が屈強な反転で前を向くと、左サイドをえぐってクロスを配球。これに堂安、守田が立て続けに詰めたが、またもワン・ダーレイのスーパーセーブに阻まれた。また同36分には目まぐるしく流動的なポジション取りから南野が右に流れ、細かいステップから左足シュート。惜しくも右に外れた。
なおも攻める日本は前半38分、町田のクロスを上田が強引に落とし、久保がボレーで狙ったがこれも枠の右。同43分には三笘が対面の2人をドリブルでぶっちぎり、クロスに守田が3列目から飛び込んだが、惜しくも枠を捉えられなかった。同アディショナルタイム1分、カウンターから遠藤が抜かれ、ピンチを招きかけたが、遠藤と南野が懸命に戻り直し、シュートは打たせなかった。
すると前半アディショナルタイム2分、日本が突き放した。ピッチを広く使った攻撃で右サイドを堂安が攻め込み、左足でインスイングのクロスを挙げると、ファーサイドで反応したのは三笘。高い打点のヘディングシュートを角度のないところから叩き込んだ。新システムの特性を活かした両ウイングバック同士のホットライン。三笘は昨年6月のキリンチャレンジ杯ペルー戦以来1年3か月ぶりのゴールで、国際Aマッチ通算8点目となった。
そのまま2-0で迎えた後半開始時、中国は元カターレ富山のDFガオ・ジュンイーを投入し、システムを5-3-2に変更。それでも日本の攻撃は止まらず、同6分に追加点を奪う。南野が三笘とのワンツーからペナルティエリア左を抜けると、寄せてきた相手をかわし、ゴール前へ。最後は右足でファーサイドネットに流し込んだ。
さらに南野は後半13分、町田の縦パスを上田がうまくフリックしたところに走り込むと、ドリブルで相手をかわし、冷静に右足でネットを揺らした。南野は6月のW杯2次予選シリア戦(◯5-0)に続いて2戦連発。国際Aマッチ通算23ゴール目で高原直泰に並び、11位タイとなった。
4-0とした日本は後半18分、三笘と堂安の量ウイングバックを下げ、MF伊東純也とFW前田大然を投入。伊東はアジア杯途中離脱以来の代表復帰戦となった。同21分には久保が中央を仕掛け、ゴールから約20mの位置でFKを獲得。だが、久保のキックはわずかに左上へと外れた。
日本は後半26分、遠藤と板倉に代わってMF田中碧とDF高井幸大を投入。前日に20歳の誕生日を迎えたばかりの高井はこれがA代表デビューとなった。また遠藤のキャプテンマークは守田が受け継いだ。
そうして迎えた後半32分、日本は前田のクロスが大きく右に流れたが、これを懸命に走った久保が拾い、内側にパス。これを受けた伊東が左足でシュートを放つと、相手に当たったボールがゴールマウスに入った。伊東は昨年10月のキリンチャレンジ杯チュニジア戦(◯2-0)以来11か月ぶりのゴールで、無念のアジア杯離脱からの復活を印象付ける一発。これで国際Aマッチ通算14点目となった。
5-0とした日本は後半34分、上田に代わってFW小川航基を投入し、交代枠を全て消化。すると同42分、右サイドを攻め上がった伊東のクロスに前田が猛スピードで突っ込み、ヘディングで押し込んだ。またも両ウイングバックのホットラインが機能。さらに後半アディショナルタイム5分、久保がダメ押しゴール。鬼門とされた最終予選初戦を圧巻の7発ゴールラッシュで勝ち抜いた。
日本はこの後、敵地バーレーンに移動し、10日にW杯最終予選第2戦でバーレーンと対戦する。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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