[9.9 総理大臣杯準々決勝 明治大0-2阪南大 いわぎんB]
チームに自信をもたらすゴールになった。阪南大は開始1分にも満たない時間帯に放ったFW金本毅騎(2年=C大阪U-18)がシュート。これは惜しくも左に外れたが、明治大を相手に序盤から圧力をかけると、同8分、MF三好麟大(4年=流通経済大柏高)が右エリア内を縦に仕掛けて上げたクロスをFW中田有祐(2年=仙台ユース)がヘディングで押し込んで先制に成功した。
「自分の得意のヘディングでした。(2回戦の)京産戦でも点を取っていたので、乗っている感覚はあった。うまく決められてよかった。でもそのあとにチャンスもあった。まだまだああいうところを決め切れないのは課題というか、現在地を改めて確認できたかなと思います」
群馬県出身でファナティコスから中学で東京ヴェルディジュニアユースに入団。相手の明治大には当時から戦ってきた選手が多く在籍していた。「例えば大宮にいたDF多久島(良紀)はジュニアの時から試合をしていた。向こうは覚えていないと思うけど、個人的には秘めた思いを持って、負けられないと思って戦っていました」。
東京Vではユース昇格を逃したが、高校年代はベガルタ仙台ユースを選択。大学は「仙台に帰りたい」という目標を逆算することで、チームと関係性が深い阪南大に進むことを選んだ。そしてそこで同学年のライバル、FW金本毅騎と出会った。金本はルーキーイヤーの昨年からチームのエースとして活躍。今季も前期だけで8得点を決めて、関西1部で得点王に立っている。
「正直、東京Vの時も仙台でも基本的には自分がチームで一番点を取る存在だった。でも大学に来て初めて同期に素晴らしいライバルができた。最初は悔しい気持ちがあったけど、追いつけ追い越せの気持ちで何とか食らいついてこれていると思う。タイプも少し違うんですけど、今の自分にすごく大きな影響を与えてくれているなと思います」
今大会は2戦連発となった中田だが、相手によって先発を外れるなど、まだまだ確固たる座を掴んでいるわけではない。ただ「まだ少しずつ伸びている」という、190cmに迫る長身はチームにとって欠かせない武器であることに間違いはない。「世界的にも日本国内でも、もう同世代はトップレベルで活躍している。まだ2回生だからと言っていられないと思っている。自分も一日でも高いレベルに立てるように、まずは阪南大学の一員として今大会で12年ぶりの優勝を成し遂げたいと思います」。伸び盛りのストライカーが歩みを止めることはない。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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