[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.14 国際ユースサッカーin新潟第2節 U-17日本代表 4-3 U-17アメリカ代表 新発田市五十公野公園陸上競技場]
嫌な予感を吹き飛ばす、MF田中希和(FC東京U-18)の爽快な2ゴールだった。
国際ユースin新潟の第2戦、U-17アメリカ代表との試合で、田中はU-17日本代表の右サイドMFとして先発。今回が各年代を通じて代表初招集となる田中にとって、初先発の舞台となった。
前半は本人も試合後に渋い表情で「うまくいっていなかった」と語るような試合展開になってしまったが、後半は激しい点取り合戦となる中で存在感を発揮した。
U-17ペルー代表との第1戦では交代出場から初ゴールを記録しており、良いイメージはあったのだろう。後半4分に失点した直後、田中の号砲が炸裂する。
キックオフの流れでボールを動かしている中、相手最終ラインの裏へと動き出すと、それを見逃さなかったDF松本果成(流通経済大柏高)がロングパスを通し、バウンドしたボールに合わせる形でダイレクトボレー。高難度のシュートを左足で鮮やかにゴール隅へと鋭く決めてみせた。
「いい感じに裏へ抜けられて、左も右も自分は打てるんで。チームが落ちる前に点を返すことができて良かった」
さらにもう一つの見せ場は2-2の同点で迎えた後半22分。左サイドからのクロスがこぼれてきたところを、ファーストタッチでペナルティーエリア内へと軽やかに運び出す。相手DFの合間を縫うようなこの絶妙なタッチから左足シュートを一閃。勝ち越しゴールを流し込んでみせた。
ボールコントロールやシュートの技術もさることながら、ゴール前の小さなスペースを見出した“目”の良さも際立つゴールだった。
「ゴール前でガチャガチャした後で(こぼれてきたボールを)トラップから(対面のDFを)1枚はがせた。あそこでは自由にやれと言われているし、思い切って仕掛けていけて良かった」
初代表となった今大会の初先発でも2ゴール。ペルー戦に続いて特別な存在感を発揮することになったが、「まだもう1試合あるんで」と、さらなる爆発を誓う。
代表でのプレーイメージについては、「堂安律選手とか久保建英選手の映像は自分に結構似ているなと思って観ている」と名前を挙げる。そしてもう一人、特別な存在がいることも明かす。
「身近で言うと、(U-19日本代表MF)佐藤龍之介選手のことはプレー集とかも観て、モチベーションを上げさせてもらっている」
すでにトップチームのピッチや世界大会も経験しているFC東京U-18の先輩の名前を挙げた。
初代表でこの活躍はスペシャルではあるものの、満足したわけではない。「もっと守備から活躍したい」と課題も話し、「次の試合も結果を出さないといけないと思っている」と、3試合連続での爆発も誓っていた。
(取材・文 川端暁彦)
Source: サッカー日本代表
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