[9.15 NBチャンピオンシップU-16決勝T1回戦 横浜創英高 0-0(PK3-4)尚志高 時之栖うさぎ島G]
「ニューバランスチャンピオンシップU-16 2024」は15日午後、予選リーグを勝ち抜いた16校による決勝トーナメントへ突入。Eブロック1位の横浜創英高(神奈川)とFブロック2位・尚志高(福島)との1回戦は、0-0で突入したPK戦の末、尚志が4-3で勝った。
横浜創英は滝川二高(兵庫)、高川学園高(山口)、帝京長岡高(新潟)との予選リーグで3連勝。一方の尚志はFブロックで1勝2敗と苦戦したものの、得失点差で2位に入り、決勝トーナメントへ駒を進めた。
立ち上がり、尚志は敵陣でインターセプトしたFW浦川慶の左足シュートやMF奥村玲央の左足シュート、FW玉木聖梛のドリブルシュートなどで相手ゴールを目指す。「身長があんまりデカくないんで、1対1の強さだったり、ビルドアップでチームの勝利に貢献できるようにしていければいい」というCB星宗介ら最終ラインから攻撃を組み立て、MF瀧田悠のアイディアある動きも織り交ぜてボールを運ぶ。また、前線でボールを収める玉木や浦川をシンプルに活用しながら、相手の寄せが甘い際には右SB中村快生や左SB星山珂凰がマークを外して前進。シュートに結びつけた。
対する横浜創英は、元々一学年17人の少数精鋭だが、今大会中の怪我もあってフィールドプレーヤーがわずか11人という状況。それでも、相手の股間を通すドリブルや、キープ力で存在感を放つMF鈴木快やシャドーの位置で上手さを発揮するMF塩澤示月を軸にボールを保持しながら主導権を握ろうとする。
前半7分には、鈴木のパスからMF佐藤翔星が右中間へ抜け出し、ニアポスト直撃の右足シュート。右SB大坪海士と左SB藤田遥心が積極的にビルドアップに係わったほか、CB八鍬一真の左足フィード、グラウンダーの縦パスも交えた攻撃で押し返す。そして、塩澤がこぼれ球などからシュート。相手の切り替えの速さに苦戦したことも確かだが、FW池田海斗が前線で健闘したほか、CB工藤遙人や回収力を見せたMF関口康介、MF岡大翔、鈴木も球際で競り勝ち、チームを盛り上げていた。
尚志はMF迫田悠聖や星、CB中村一平が出足速くボールを奪い返していたが、速攻などでチャンスを作りかけながらもパスや動きが合わない。後半開始からFW須釜朱王とFW京増倫泰を同時投入。後半10分には切り替えの速い攻撃から左の奥村が逆サイドへ展開し、須釜の落としを受けたMF齋藤浩司が鋭いクロスを入れる。
だが、わずかに合わず、その後も瀧田の奪い返しからの速攻や奥村のドリブル突破がシュートに結びついたが、決め切ることができない。横浜創英MF高田一貫刀、尚志MF若林衣武希をそれぞれ加えて迎えた終盤、横浜創英は岡のパスから池田が左足シュートを放つ。だが、枠を捉えず、尚志も1点を奪えないまま60分間を終えた。
試合は延長戦を行わず、3人制のPK戦へ突入。その2人目、尚志GK古川昌和が右へ跳んでストップする。横浜創英も決められれば敗退の相手3人目をGK松南光祐が止め返す。だが、横浜創英は5人目のシュートがクロスバーをヒット。最後は尚志MF瀧田が右足で決め、決着をつけた。
尚志は普段、東北ルーキーリーグに所属。9試合で48ゴール、首位独走中と他との差を示している。その中で、「ニューバランスチャンピオンシップU-16 2024」は来年、再来年のプレミアリーグや夏冬の全国大会へ向けて重要な大会という位置づけ。茂木星也コーチは「今回、(全国の)トップとどこまでやれるか」と語り、星は「関東とか色々なチームが強くて、こういったところでやるのは凄く経験になると思います」と頷く。
この経験を今後の成長に結び付けなければならない。現1年生は選手層の厚い注目世代だが、茂木コーチは「トップでやるだけの技術、メンタリティがあるかと言えばまだまだ」と指摘。兄・MF星慶次郎(3年)が活躍するトップチームで活動中の星は、「兄がいいプレーとか見せてくれてるんで自分も頑張んないと」と語り、トップチームとのフィジカル差や組織力の差をこれから埋めていく意気込みだ。
星は「ニューバランスカップU-16」準々決勝(対大成高戦)以降の戦いへ向けて、「点が取れてないので。点取っていきたいですし、前だけじゃなくて後ろも無失点で行って、内容も少しずつ良くしていきながら、結果にこだわっていければいいと思います」。課題を学びながら、決勝まで勝ち抜いて今後の飛躍に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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