中国・杭州で開催中のアジア大会に出場しているU-22日本代表は27日、決勝トーナメント1回戦のU-24ミャンマー代表戦に向けた前日練習を実施した。
負けたら帰国となるノックアウトステージの初戦で日本と対戦するミャンマーは、東南アジアのチームらしい機動力の高さを武器とするチーム。グループステージでは1勝1分1敗の戦績で勝ち抜いてきた。
パリ五輪を目指すU-22世代でチームを構成する日本とは異なり、ミャンマーはU-24世代で構成されたチームに3人のオーバーエイジ枠をフル活用してチームの底上げを図っている。その一人、MFヤン・ナイン・オーはミャンマーがU-20ワールドカップに初出場した際の主軸選手であり、A代表としてのキャリアも十分に積んできた選手で、特に注意が必要だろう。
大岩監督はそんなミャンマーについてこう分析する。
「サイズはそれほどないですが、その分すばしっこさのあるチーム。足腰の強さもあって要所での球際も強いし、前に出て行く速さがある」
グループステージで当たった中東勢の2チームとはかなり方向性の違う個性を持つチームだけに、DF馬場晴也(札幌)も、「頭を切り替えておく必要がある」と強調する。
カウンターアタックやサイド攻撃で見せるドリブルを交えたスピード感は脅威となるが、逆に高さに関しては日本にアドバンテージもあるので、クロスボールやセットプレーからの得点も期待できそうだ。
アジア相手の試合はどうしても日本がボールを保持して相手が守備を固めるという時間帯が長くなりがちだが、指揮官は「勇気を持って、ミスを恐れずに狙っている攻撃を繰り返すこと」の重要性と「リスク管理」の二軸を強調する。焦ることなく意図のある攻撃を繰り返すが、カウンターへの備えは怠らない。当たり前ながら簡単ではない要素が引き続き大切なテーマとなる。
こうした経験は来年4月に行われるAFC U23アジアカップ、すなわちパリ五輪最終予選にも必ず生きてくる部分。逆に言えば、こうした流れの中でチームの勝利に貢献できる選手であることを示せるかも、個々に問われているとも言えそうだ。
ミャンマーとのノックアウトステージ初戦は、日本時間28日午後8時30分から開幕する。
(取材・文 川端暁彦)
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Source: サッカー日本代表
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