[9.25 関東大学L1部第12節延期分 明治大 1-1 桐蔭横浜大 明治大八幡山グラウンド]
プレミアリーグEAST得点王の称号で注目を集めるルーキーは、関東大学リーグ初ゴールを奪えない中できっかけを掴んだようだ。桐蔭横浜大のFW岡崎寅太郎(1年=川崎F U-18)は“裏総理大臣杯”での活躍を「結構自信に繋がっています」と振り返った。
岡崎は昨年のプレミアリーグEASTで18ゴールを決めて得点王を獲得。18得点での得点王は歴代3位(WESTを除く)の好成績だった。ただ桐蔭横浜大での1年目はここまで、リーグ戦ですべて途中出場となる中でノーゴールとなっている。「チャンスがあるにも関わらず決めきれていないところで結構焦りみたいなのがあった」。そう語る岡崎の転機になりそうな大会が今月上旬にあった。
それは総理大臣杯不出場チームが時の栖に集結したサマーユニバーズフェスタ2024Presented by スポナビ。今年が第1回となったこの大会は「裏総理大臣杯」としても扱われた。桐蔭横浜大はそこで初代王者に輝くと、岡崎は先輩のFW肥田野蓮治(3年=関東一高)ら得点ランク首位に次ぐ4ゴールを記録した。
「ありがたいことに良いパスを貰えて、蓮治くんの次くらいに点数を取ることができて結構自信に繋がっています。練習のときからシュートに対する意識も強くなりました」
また、1学年上のFW陣が活躍する姿にも刺激を受けている。昨季は当時1年生のFW内野航太郎(筑波大)が9ゴールで1部新人王を受賞し、FW塩貝健人(慶應義塾大)は15ゴールで3部得点王と新人王に輝いた。その後内野はU-23日本代表のパリ五輪予選メンバーに入り、塩貝はU-19日本代表でモーリスレベロトーナメント得点王を受賞。塩貝は今季からNECナイメヘン(オランダ)に電撃加入し、エールディビジデビューを果たしている。また昨年の総理大臣杯得点王も1年生で、FW小湊絆(法政大)だった。
そうした先輩たちの1年目に岡崎は「正直すごいなと思っています」と感嘆する。特に内野は高校時代に対戦した選手であり、自身を上回る21ゴールで2022年度プレミアリーグEAST得点王に輝いた存在のため印象的だ。
「自分の前に得点王を取っていた選手が去年1年生ながら9点取って、代表として世界の相手と戦っているのを見ると自分はまだまだ足りないと思っていますし、もっとやらなきゃいけないと思っています」
岡崎はそう意気込む中でゴールこそないが、「前を向いたときのドリブル突破とかチャンスを作り出す部分は、大学4年生相手にも自分の武器は通用する」と大学サッカーへの適応も進んでいる。
その一方、多くの1年生が話すようにフィジカルの差は感じるところ。「練習から工夫してやっている」と話し、同期ですでに得点を記録しているFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(1年=修徳高)の名前も挙げながら「良いライバルとやれているのでその環境で自分を成長させるのが第一ですけど、プロになるためには一緒にやっているライバルを含めて誰よりも点を取らないといけない」と力を込める。続けて「2年生のときには大学を代表するじゃないですけど、得点を取れるような選手にならないと」とストライカーの覚悟を示した。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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