AFC U20アジアカップ予選に出場中のU-19日本代表。2戦2勝と来る中で、DF布施克真(日大藤沢高)は2試合ともに途中出場。第1戦は後半開始からの45分を右SBとして、第2戦は後半31分からボランチとしてプレーした。
「いろいろなポジションについて『布施ならできる』と言ってもらえて、どっちのポジションでも遜色なくやれているとは思うんですけど、それだけじゃダメだと思っています」(布施)
昨年のU-17W杯では、世界を戦う23名のメンバーに入ったものの、出場機会には恵まれなかった。ただ、当時からトレーニングへ臨む姿勢、吸収力の高さは当時の指導陣から高い評価を集めており、「この姿勢で続けられれば、布施は相当伸びていくんじゃないか」と語るスタッフもいた。
「悔しかった」と振り返るその経験も踏まえ、地道にトレーニングを続けた成果は確実に出ているようだ。「自分の学年の代表でもなく、(早生まれのため資格を持つ)下の年代でもなく、上の年代に選ばれたことはやっぱり自信になる」と語るように、選手として着実にスケールアップしつつある。
上の代表に来た中で、あらためて高い目標設定をし直せていることも大きいと言う。
「今まで『守備の強度では絶対に負けない』とか言ってたんですけど、同じポジションの本間ジャスティン(横浜FM)もそうですし、左SBの高橋仁胡(C大阪)はもっと強度高いし、もっと攻撃で迫力がある。自分がこれまで『強み』と思っていたことが、『そんな大したことないな』と感じるくらい良い選手がいる」
すでにプロのステージで戦っている選手たちの“個”としての確かな実力に触れる中で、高校年代の枠組みを超えた課題を得ることになったというわけだ。「もう練習のときから意識してやっていますし、チームに帰ってもそこは繋げていきたい」と語る。
またこの短い代表活動の中でも手応えを得た部分があるとも話す。
「最初に19の代表に入ったときは凄く緊張してしまって、なかなか自分のプレーを出せなかったんです。殻に閉じこもってみたいな感じになっていたんですけど、『それだと自分は成長できない。自分から発信しないと良い選手になれない』と思って、自分から話し掛けにいくようになって、少しずつ変われたと思います」(布施)
そして、この代表に生き残って成長していきたいという欲も強まったと言う。
「まずこの予選を勝ち抜いて、アジア最終予選にも選ばれるような選手になっていきたいです。このレベルのチームで試合に出てアシストできたりとか、特長を出せた場面もあったので、『この代表でもやれる』と思っていますし、もっともっと成長して、この代表に選ばれ続けたいですし、さらに上の代表にも入っていけるような選手になりたいです」(布施)
謙虚に自分自身の立ち位置を見つめながらも、成長へのどん欲さは隠さない。MF布施克真に「現状に満足」という言葉はないようだ。
(取材・文 川端暁彦)
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Source: サッカー日本代表
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