[9.28 アジア大会決勝T1回戦 U-22日本 7-0 ミャンマー 杭州]
連日の中華系ご飯にも慣れたのか——。試合前日、「ここからピークに入っていく」と宣言していたU-22日本代表MF佐藤恵允(ブレーメン)が有言実行のパフォーマンスを見せ付けた。
16強の激突となった28日のU-24ミャンマー代表戦。大量点の口火を切ったのは12分に生まれた佐藤のゴールだった。
「自分でもあのファーストタッチは『カオル・ミトマかな?』という感じだった」
笑顔で自らそう形容したのは1点目のファーストタッチ。左サイドに開いたMF日野翔太(拓殖大)からの鋭いパスを完璧にコントロール。「相手DFが少し遅れ気味だったのでワンタッチではがせると思った」という状況判断あってのプレーから、シュートも冷静沈着に流し込んだ。
そして日本の3点目となった2ゴール目も「自分らしい、みんなに見せたくなるプレー」だった。起点になったのは、佐藤が相手ボールを鋭いスライディングタックルで奪い取るプレー。素早い決断と実行に加え、「あゆ(鮎川)は見えていて、スライディングでボールを奪いながらパスをした」という判断もしっかり伴ってのプレーで攻守を切り替えると、すぐに起き上がってスペースへとダッシュ。タメを作った鮎川がスルーパスを通すと、スピードを活かして抜け出し、最後はGKとの1対1シュートをしっかり決めてみせた。
さらに左サイドからのクロスボールでアシストも二つ記録。4点目となった鮎川へのアシストは、「チームとしての狙い」であるゴールエリア脇を突くプレーから、「誰かは絶対いてくれると思った」という正面へと折り返す形から。そして最後は、早めのクロスで角のボレーシュートによるゴールに繋がるクロスも送り込んでみせた。これも「事前のスカウティングで、ああいうクロスへの対応が上手くないのはわかっていた」と見越した上でのプレーだった。
「前半の全得点に自分が絡めたのは自信になる」と胸を張ったとおりの抜きん出たプレーぶり。大岩監督が「攻撃だけでなく守備での貢献も大きかった」と語ったように、献身的にプレーした上で結果も出していたのだから、この日の佐藤に関して言うことはないだろう。
もっとも、ここから相手のレベルも上がっていく中でさらに結果を出していってこそなのは本人は百も承知だ。
「予選に選ばれなかった悔しさをこの大会にぶつけて、成長した姿を見せないといけない。もちろん狙いは優勝なんで、全員でやっていきたいし、自分これで乗れると思っています」
そう言って笑ったブレーメンの星は、さらなる爆発を誓っていた。
(取材・文 川端暁彦)
●第19回アジア大会特集ページ
Source: サッカー日本代表
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