[9.29 プレミアリーグWEST第16節 大津高 5-1 帝京長岡高 宇城市立ふれあいスポーツセンター]
これまでとは、自信、心の持ち方が違う。帝京長岡高(新潟)のU-18日本代表FW安野匠(3年=シュートジュニアユースFC出身、仙台内定)が劣勢の中で1得点。試合は1-5で敗れたものの、プレミアリーグWESTでの得点数を10へ伸ばした。
前期、1-6で敗れた大津高(熊本)とのリベンジマッチ。「前回、前半の前半で3点やられているんで、最初の1点と、連続失点しないっていうところにこだわってやっていた」と安野は説明する。
だが、帝京長岡は前半8分に失点すると、勇気を持ってグラウンダーで繋ぎにいったところを大津に狙われて15分、23分にも失点してしまう。安野はスペースへの動きを繰り返していたが、チームは全体的に意識が下に向き過ぎてしまい、なかなかボールが届かなかった。
前半38分にも失点し、0-4。安野は「自分たちが失点した後の振る舞いだったり、プレーだったり、メンタリティだったり、そこで自分たちは全体的に整理できてなかった」と指摘する。それでも、安野は45+1分、MF水川昌志(3年)の縦パスで抜け出し、GKとの1対1から決め切った。
「(0-4の状況だと)前はすぐ焦ってたりとかで、(感情の)方向性が味方に向いちゃってたり、相手に向いちゃってたりしたんですけど、今回は別にそんな焦ることなく、1点取り返せればまた持っていけるかなっていう心の余裕から、多分1点が生まれたんだと思う」。この心の余裕は、この夏の期間に掴んだ自信が影響しているようだ。
安野はチームが初めて4強入りしたインターハイで得点ランキング2位の5得点。その後、U-18日本代表に初招集され、仙台内定が発表された。9月19日にはU-19日本代表のトレーニングパートナーとして出場した流通経済大戦でゴールを決め、プレミアリーグWESTでも最近2試合で3得点。焦らず、自分のやるべきことをやり続け、結果に結びつけられるようになってきている。
「自分でいうのもあれかもしんないですけど、(仙台では)前からプレスするっていうことを結構求められて、取ってもらって、評価して頂いてるんで、やっぱりそこはやめちゃいけないところではあると思います」。この日は後半も諦めずに走り続け、味方にパスを要求し、シュート。最後まで印象的な動きを見せていたが、大津に再び敗れたことを悔しがっていた。
プロ入りを勝ち取り、年代別日本代表にも選ばれた。だが、安野は「やっとスタート地点に立てた」という考え。この日のように、どんな試合状況でも変わらずに走ること、ゴールを決めることを続けるだけだ。「自分は、自分の得意なプレーも、苦手なプレーもしっかり頑張って全力でするっていうのをモットーにしている。仙台で結果を残すためにも、まず高校生のうちにしっかり結果残して、 高校ナンバーワンって言われるようなプレーヤーに」というストライカーが、チームの勝利と自身の飛躍を目指して全力で戦い続ける。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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