[9.29 関東大学L2部第15節 日本体育大 1-3 法政大 横浜・健志台G]
高校時代はチーム史上初の全国高校サッカー選手権に出場した。日本体育大のGK原田眞透(1年=日体大柏高)は入部1年目にして、大学でも1部復帰というチームの悲願達成を目指す立場にいる。
原田は附属の日体大柏高で3年間を過ごし、2年時に守護神の座を奪取。千葉県予選決勝では市立船橋高を完封して創部初の選手権出場権をもたらした。全国舞台では初出場ながら8強入り。原田は全4試合でゴールを守り、大会を通じて1失点に抑えた。
今春に日体大柏を卒業し、関東大学リーグ2部を戦う日体大に進学。開幕スタメンを飾るとここまでの15試合中14試合でゴールを守り、早くもレギュラーに定着した。チームは1部自動昇格圏内の2位に位置しており、2017年度以来の1部復帰に向けた佳境を迎えている。
原田は「高校からずっと出ていて、大学も続けて出してもらっている中で試合勘は衰えていない」と話し、1人しか立てないポジションで自信をもって戦えていることを強調した。もっとも前期は「高校とはプレースピードも何もかも違う」と大学サッカーへの適応に悩む部分もあったようだが、経験を積みながら自信を深めたようだ。
「大学サッカーだとやっぱり身長が高い選手とかが多いですけれど、クロスのところはビビらず出られます。シュートストップは自信をもって自分が武器と言えるものを持っているかなと思います」
そういった自信とともに原田を支えているのはGKチームの一体感だ。斯波薫GKコーチや先輩とともに良い雰囲気で日々の練習を行っているといい、「良い信頼関係を築けているのかなと思います」と笑顔を見せた。前節は前半途中の負傷交代でGK青山海(3年=川崎F U-18)にバトンを渡したが、完全にプレーできない状態ではなかったという。それでも「自分が100でできないなら青山くんに自信をもって託せるなと思った」と信頼を示し、交代を決断。その言葉通り青山は完封を果たした。
シーズンは残り7試合で昇格争いは混戦状態。ひとつのゴールがチームの将来を左右しかねない状況だ。1年生GKにかかるプレッシャーも大きいはずだが「高校のときに声を出すと緊張がほぐれると言われた」と明るく話し、最後尾からチームを支える存在として硬くなりすぎないように意識している。
目指すは昇格だけでなく2部優勝だ。原田は「最後は先輩たちと一緒に笑って終わりたいので、自分の120%出せる力をしっかり出して今後もプレーしたい」と意気込み、「それで勝つというのが使ってもらった監督やコーチを含め、そういう方への恩返しにもなると思う」と感謝を胸にゴールに鍵をかける。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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