アルビレックス新潟のルヴァンカップ決勝進出に貢献したDF稲村隼翔(4年=前橋育英高)について、所属元の東洋大・井上卓也監督は準決勝第2戦前日の12日に「当初は第1戦だけの予定で送り出した」と明かした。
稲村は昨年6月に新潟への2025年加入が内定。今年4月にJ1デビューを果たし、ここまでリーグ戦では10試合に出場している。ルヴァン杯ではプレーオフラウンドの2試合を除く全6試合でフル出場し、新潟をクラブ史上初の決勝へと導いた。9日の準決勝第1戦後にはJリーグ公式SNSでプレー集が投稿されるなど、東洋大在学中からアピールを続けている。
ただ井上監督によると、ルヴァン杯準決勝はミッドウィークの第1戦のみ参加する予定だったという。
「最初はなかなかリーグ戦では絡めなくて、ルヴァンから少しずつ新潟のチームの中で貢献できるようになってきたという流れもあって、クラブも本人もなんとかルヴァン杯は出場し続けたいという思いが強かった。第1戦をしっかり勝って次もという状況になっていたので、本人とクラブと話をして、戻さず第2戦へという決断になりました」
もっとも東洋大は関東大学リーグ1部で上位争いの最中。準決勝第2戦の前日には東京国際大戦を行って2-1で4連勝を飾った。会場のAGFフィールドには新潟のグッズを身につけた観客の姿もあった。「稲村選手きっかけで」と東洋大の試合配信を見ていたという親子連れは、近隣に住まれているということもあって初の現地観戦。稲村について「能力的にファーストチョイスに入っていると思う」と信頼を示すと「ぜひ決勝にも出てほしい」と本音も。準決勝第2戦のチケットは取れなかったようで、家族で新潟の決勝進出と優勝を願っていた。
オンライン上でも新潟サポーターから東洋大への支援が続いている。大学の寄付金募集サイトには「稲村選手と東洋大学の皆様への感謝の気持ちを込めて」「特別指定選手活動をご許可頂いている貴学には感謝しかございません」などと綴られたメッセージが殺到。サッカー部への寄付でページが埋め尽くされており、SNS上でも大きな話題になっている。
新潟サポーターからの支援について井上監督は「ありがたいこと」と感謝を述べながら、具体的な使用用途については「まだまだ全くそこは(決まっていない)。実際にどうなるかという具体的なことはまだ分かっていない」と説明。その上で「本人が向こうでチームに貢献することで得た評価だと思うので、稲村にとって素晴らしいこと」と胸を張った。
また、注目が集まる稲村の決勝出場可否については「色々と話し合って決めなきゃなと思います」と井上監督。東洋大はルヴァン杯決勝が行われる11月2日に現在首位の明治大と対戦するため、調整が進められていく見通しだ。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 国内リーグ
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