[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 プリンスリーグ関東1部第16節 桐生一高 2-1 鹿島学園高 太田市運動公園サッカー・ラグビー場]
初先発の1年生FWが、ゴールで期待に応えた。桐生一高(群馬)のFW高裕徳(1年=セブン能登ジュニアユース出身)は7試合の交代出場を経て、プリンスリーグ関東1部初先発。トップ下の位置でボールを巧みに引き出すと、1タッチでの落としやサイドへの展開など攻撃の起点となった。
そして、前半38分には、左CKからMF山田康太(3年)の放ったヘディングシュートのこぼれ球に鋭く反応。頭でゴールへ押し込み、先制点をマークした。9月29日の栃木ユース戦でも決勝点を決めている高が再び大仕事。その1年生は、強い責任感を持って残留争いの大事な一戦に臨んでいたという。
「あまり緊張とかはなかったんですけど、とにかくこの試合は1番大事だなって言われていて、自分もそう思っていて、残留に向けて1番頑張らないといけないなっていう責任、1年生でこういうところに立たせてもらっている責任をしっかり持って試合に向かおうと思ってプレーしました」
高は後半もセカンドボールを回収した勢いで仕掛けてFKを獲得するシーンも。桐生一進学後の半年間で「セカンドボールの回収とかとか、自分の武器を磨いて頑張っていけるようになったと思います」という特長を表現していた。
課題もあった。プリンスリーグ関東1部の強力なDF相手ではまだ細かなタッチやパスのズレが出てしまっている。中村裕幸監督は「(ゴール前で)自分で(前を)向き切るところで1個ちゃんとボールコントロールできれば、シュート打てるっていうシチュエーションまで行くことができる」と指摘。やり切るところまで行けなかった部分があったところは確かだが、指揮官も高評価する先発デビュー戦だった。
高は昨夏、U-15日本代表としてEAFF U15男子選手権(中国)に出場。高校進学時は、「(中学時代のセブン能登ジュニアユースとの繋がりに加え、)ここならプロでしっかり活躍できるかなって思ったのと、Jとかそういう強いチームで勝っていくより、自分は下から這い上がるチームが、やっぱセブン(能登)もそうだったんで、そういうずっと上のところにいるんじゃなくて、下から上を倒すっていうチームが自分はまあまあ好きって思ってるんで」という理由によって、プレミアリーグの強豪校やJクラブユースではなく、桐生一での挑戦を決めた。
1年生でチャンスを掴み、強敵からの白星に繋がるゴールも増加中だ。元ベルギー代表FWエデン・アザールが憧れ。「ほんとにアザールみたいな選手になっていきたいなって思います。(アザールの)ドリブルの推進力や、仲間使って最後自分決めるプレーとか凄い上手くて、ゴール前のアイディアとかもやっぱ凄いんで、ああいう中心選手になっていきたいです」と掲げる。
まもなく始まる選手権予選へ向けては、「チャレンジャーの気持ちで最後決勝まで行って、絶対全国行けるように」と宣言。チームメート、そして、地元・石川で応援してくれている人たちがいる。「地元の人たちには活躍してる姿っていうか、そういうの(活躍の情報)を聞かせれるような感じになりたいです」という高が、選手権でもゴールを決め、強敵を倒す。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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