セーブもキックも乗っているGK鈴木彩艶、豪州戦へ「勝つことが大事」と闘志

日本代表GK鈴木彩艶
 サウジアラビアにアウェーでシャットアウト勝利をおさめた良い流れを、ホームでの大一番につなげるつもりだ。W杯アジア最終予選第4戦のオーストラリア戦を翌日に控え、日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)が取材陣に対応。7-0で大勝した9月5日の中国戦以来となる埼玉スタジアムでの戦いに向け、「懐かしの場所で練習をして、明日のゲームに向けていっそう気が引き締まった。明日はサウジアラビア戦に続いて勝つことが大事だと思うので、いい準備をしていきたい」と静かな口調で意気込みを示した。

 日本はアジア最終予選に入って3試合連続完封勝利中。彩艶個人としては、3月21日に国立競技場で行われた2次予選の北朝鮮戦(○1-0)から4試合連続で無失点勝利をおさめている。オーストラリアはサウジアラビアと並ぶ強豪だが、より高さがあるのが特徴。とりわけ警戒したいのはセットプレーとクロス。彩艶は「サウジアラビアより高さがあるので、よりクロスを上げてくると予測している。エアバトルもあるし、そこで(セカンド)ボールを拾えるか」と試合のポイントを挙げた。

 オーストラリア戦では攻撃面の強みを出すことにも意欲を見せている。サウジアラビア戦では前半39分や後半6分に素早いロングキックを最前線のFW上田綺世へ供給し、チャンスをつくった。精度の高いロングキックは彩艶自身が“他の選手との違いを見せられる武器”として何より自信を持っているスキル。抜群のパワーがある分、力を抑えてコースや弾道まで細かい狙いを持てるのが強みでもある。

「自分からチャンスを取るというところ、一発でなくてもセカンドボールを拾えるところが非常に有効になると思う。そういったところは出してきたい」と話す姿には、近いうちにアシストしそうな勢いがある。

 サウジアラビア戦では前半42分に相手の決定的なミドルシュートを右手一本で弾いたプレーが「ワールドクラス」と評判を呼んだ。しかし、彩艶自身は「自分としてはそこまでビッグセーブとは捉えていない。弾き方にももうちょっと工夫が必要だった」とよりハイレベルなところを見ていた。このプレーに対し、元同僚の浦和GK西川周作も「彩艶は止めたことに満足していないのではないか。彼なら弾くところもより追求していそうだと思う」と語っていた。

「明日はそういうところも突き詰めていきたいが、前回の試合はもう切り離している。良い準備をしていきたい」と彩艶。右肩上がりに自信をつけている守護神は表情をいっそう引き締めていた。

(取材・文 矢内由美子)


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Source: サッカー日本代表

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