[プリンスリーグ関東1部]悔しい1年。健大高崎の3年生は姿で示し、選手権で「1つでもチームに何か残せたらいい」

健大高崎高DF大塚巧夢(3年=上州FC高崎出身)は「1つでもチームに何か残せたらいい」
[10.13 プリンスリーグ関東1部第16節 健大高崎高 0-1 栃木U-18 健大高崎高校サッカー場]

「去年は3年生に引っ張ってもらって、自分たちもとにかく全力出すだけで。今年は自分たちが引っ張る立場だったんですけど、なかなか上手くいかなくて……。(プリンスリーグ関東1部で)1勝しかできてない中で、悔しい1年だったんですけど、でも、選手権は別物で、もうやるしかないんで、、あと1週間をどう過ごすかっていうところを、しっかり考えたいと思います」

 健大高崎高(群馬)はプリンスリーグ関東1部残留への大一番、8位・栃木U-18戦で0-1の敗戦。下級生時から主軸のDF大塚巧夢(3年=上州FC高崎出身)は、6日後に控えた選手権群馬県予選初戦(19日)・伊勢崎工高戦へ向けて切り替えて一週間を過ごすことを誓っていた。

 この日、栃木U-18戦の重要性を篠原利彦監督らスタッフからも強調されていたが、前半にPKで失点。後半は焦りもあったか、ファウルが増えてしまい、「流れが悪くなったかなっていうのはあります」(大塚)

 後半半ばには、怪我から復帰の群馬内定DF新井夢功主将(3年)がリーグ戦6試合ぶりとなる出場を果たした。長身MF樋口智也(2年)がボールを引き出して収め、サイド攻撃。最終ラインからポジションを上げたDF田中千景(3年)や10番FW石渡侑真(3年)へボールを入れ、新井のロングスローのこぼれをDF湯浅惠斗(3年)が狙うシーンもあった。

栃木U-18戦で複数のポジションを務めたDF湯浅惠斗

 また、いずれも昨年の経験者である大塚、DF田村陸斗(3年)、新井の3バックを中心に相手の攻撃を凌いでいた。だが、全体的に攻撃のクオリティが上がらず。栃木U-18の守りをこじ開けることができなかった。

3バックの中央を務めたDF田村陸斗

 健大高崎はプリンスリーグ関東2部へ昇格した2022年に2位。1部初挑戦となった2023年も「ノーリスク、ハイリターン」(篠原監督)の戦いを徹底し、5位と健闘した。迎えた今年、指揮官はこれからの健大高崎のために「できることを増やさないといけない」「それに向けてチャレンジする」ことを決断。縦に速いサッカーも、ボールを保持しながら主導権を握る戦いも、多様な戦いができるチームを目指して取り組んできた。

10番FW石渡侑真がドリブルでボールを運ぶ

 インターハイ予選、リーグ戦では結果に結びつかなかったが、1年間の成果、また「応援されるチーム、応援される選手になること」(篠原監督)という健大高崎の目指す姿を選手権予選で表現しなければならない。大塚は篠原監督の「トップが示さないと、他のカテゴリーもついてこない」という言葉に同調。負傷離脱して応援する側に回っていた前期、トップチームの姿から響くものが少ないことを感じていたという。

 だからこそ、意地を見せ切れなかった栃木U-18戦から変わることを自身、チームに求める。「とにかく悔いの残らない試合にしたい。自分自身も最後の大会なんで、(準優勝だった)去年の成績を超えて、こういう結果残せない1年だったんですけど、最後しっかり結果残して、1つでもチームに何か残せたらいいなと思っています」と力を込めた。

 そして、「 (自分は)後ろからとにかく声出してチームまとめるっていうことと、あとは自分、セットプレー強みだと思うんで、その1本っていうところ決めて、チーム救える選手になりたいなと思います。選手権はもちろん応援してくれる中で、(栃木U-18戦のような)こういう試合やって1試合で終わるっていうのはもう応援してくれてる人たちに申し訳ないんで、とにかく1戦1戦しっかり準備して優勝したいです」。見ている人の心を動かすような戦いを見せ、群馬予選を勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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