アジア大会男子サッカー競技準々決勝を翌日に控えた30日、U-22日本代表は前日トレーニングを実施。U-24北朝鮮代表との試合に備えた。
大岩剛監督はこの前日、つまりラウンド16のU-24ミャンマー代表戦翌日はトレーニングを行わず、完全オフにすることを選択。ここから中2日の連戦、しかもこれまでの相手とは異なるレベルの相手との試合が続くだけに、英気を養うことを優先した形だ。
試合まで時間のないスタッフの多くは休む暇がなかったようだが、選手たちは市内の日本料理店へ繰り出してホテル飯から解放されての食事を満喫するなど心身双方でのリフレッシュを図った。
大岩監督はそんな8強以降のステージについてこう語る。
「ここからは一筋縄ではいかない相手ばかりになる。(北朝鮮に対しても)まず注意して試合に入らないといけない。非常に勤勉に戦うチームだし、セットプレーも非常に組織化されていて洗練されている。個人でも圧倒的なスピードを持っている選手がいて、そういった点も警戒しないといけない」
北朝鮮代表といえば、タフなコンタクトプレーを恐れずに戦ってくるチームという印象も強く、実際にこの日のウォーミングアップでは、体をぶつけ合うメニューに際して矢野由治フィジカルコーチから「明日の相手はここ激しく来るぞ!」という意識付けの声も飛んでいた。
ただ、大岩監督は試合のポイントについて「ボール際のところばかりではない」とした上で、「駆け引きの部分もそうだし、戦術的な要素、われわれが培ってきたコンビネーションのところをしっかり出していくことが大事になる」とも強調した。
実際、「即席チームだったので、試合をやりながら、これまで知らなかった選手のプレーもわかってきた」とMF西川潤(鳥栖)が率直に語ったように、特に攻撃の連係面については大会に入ってから洗練されていった面がある。指揮官も「動き出す部分も良くなったし、スピード感のある攻撃が出るようになってきた」と手応えを話す。
その上で、ここからの3試合における分岐点として「自分たちがどこでギアを上げるのか、相手のギアの変化を見逃さずにどう対応するのか。スイッチの入れ方、俗に言うゲームコントールの部分が大事になる」と言う。一本調子のサッカーではなく、変化し、また変化に対応もできるサッカーでアジアの列強を蹴散らせるかどうか。
日本時間10月1日午後8時30分から始まる準々決勝・北朝鮮戦は、大会を戦いながら、当初の即席チームから脱皮しつつあるU-22日本代表の真価が問われることとなる。
(取材・文 川端暁彦)
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Source: サッカー日本代表
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