[10.19 関東大学L1部第18節 関東学院大 3-2 桐蔭横浜大 金沢八景G]
エースが流れを変えた。0-2で敗色濃厚の後半33分、関東学院大のFW堀金峻明(4年=九州国際大高/山形内定)が反撃の狼煙を上げるゴールを決めると、2-2で迎えた同43分には逆転ゴールをアシスト。2試合連続ゴールでチームに今季初の2連勝をもたらし、逆転残留に向けて勢いをつけた。
創部史上初の1部を戦う関東学院大は最下位に沈んでおり、シーズンが佳境を迎える中で勝利のみが必要な状況。19日の桐蔭横浜大戦では2点を先行される苦しい展開となった。チーム最多得点の堀金は「自分自身も全然良くなかった」と振り返ったが、FW野嶋圭人(3年=神戸国際大高)のクロスを頭で合わせて戦況を変えた。「ずっと自分もそのタイミングを狙っていて、狙い通りボールが来た」。後輩への信頼を示す手応えのある一発だった。
その後チームは同点に成功。さらに後半43分、堀金がペナルティエリア手前中央から左サイドに持ち運び、体を捻りながらファーサイドへクロスを送る。「逆側の相手ゴールエリアのポケットに入るのはチームの共通点」と日々の積み重ねを信じて蹴り込んだボールにDF油野匠栄(3年=中京高)が走り込み、2点差をひっくり返す逆転ゴールが生まれた。
堀金はこの試合のゴールで今季通算7点目となり、チームが最下位に沈む中で得点ランキング6位タイに浮上した。今季を迎えるにあたってエースの自覚はあったといい、意気込み通り得点を重ねられているものの「今シーズンは思った以上にコンディションが上がらなくて、良いときと悪いときの差が激しいので、どっちかというと悔しい1年という感じです」と告白。そういったシーズンの中で、内定先のモンテディオ山形での経験は刺激になったようだ。
5月の水戸ホーリーホック戦でデビューした堀金は、6月と7月にも1試合ずつJリーグの舞台に立った。ちょうどその時期から山形は勝利を積み重ねるようになり、現在はJ1昇格争いを演じるまでに調子を上げている。キープレーヤーになっているのが7月下旬に加入し、8月のJ2月間MVPに輝いたMF土居聖真だ。
堀金も「練習もすごいんですけど、試合になると1段階、2段階ギアが上がる感じ」と凄みを感じている。土居とのホットライン形成に期待がかかる中で「一緒にプレーしたいです」と来季の共闘を心待ちにしながら、「自分のプレースタイルとは全然違うんですけど、ひとりでこんなに勝ち星をつけられる選手というのは目指すべきところ」とモチベーションになっていることを示した。
堀金は「プロは止める・蹴るもそうだけど、動きの質がやっぱり凄い。見て学べるものを学んだ」とトップレベルを体感すると、8月以降の大学リーグ6試合で4ゴールと結果を残している。大きな2連勝を経て「調子が悪い中でも点を決められたのは、自分としてもコンディションが上がる良い材料になったかなと思っています」とさらなる活躍を誓い、「2桁(得点)は取りたいと思っているので、チームのために頑張りたいです」と力を込めた。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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