[10.26 関東大学L1部第19節 中央大 0-2 明治大 中央大G]
DF長友佑都を筆頭に数多のサイドバックをプロへ輩出してきた明治大に新鋭が現れた。DF内山開翔(1年=帝京長岡高)が26日の中央大戦(○2-0)で関東大学リーグデビュー。帝京長岡高時代の同期の活躍にも触発され、「トップに関わることですら絶対ない」とも感じていた壁を打破した。
内山は下部カテゴリで始まった入学1年目、大学サッカーの強度やスピード感に苦戦した。その一方、高校時代の同期が各地で続々と大学リーグデビュー。関西学生サッカーリーグではFW堀颯汰(関西大)とMF山村朔冬(京都産業大)が優勝争いを繰り広げるチームでそれぞれ出場機会を掴んでいて、関東大学リーグでもFW原壮志(立正大/2部)が出場を続けながら夏の関東大学選抜活動にも参加していた。
戦友のそういった活躍を知る中で、内山は「自分は最初全然ダメでトップに関わることですら絶対にないという感じだったんですけど、帝長の同期が試合に出ていることを聞くと凄い刺激を受けて自分もやんなきゃな」と奮起。トップチームの練習に帯同するようになると「自分がトップで感じるスピードや熱量をセカンドチームに還元しないとチームは良くなっていかない」と決意新たにIリーグ(各大学のトップチーム以外が参戦するリーグ)に臨み、ゴールも決めてトップチームへの昇格を果たした。
デビュー戦となった中央大戦はいきなりの先発出場となる中で、栗田大輔監督や先輩から「思いきってやれ」と送り出された。内山も「緊張はあまりしなくてちょっとワクワクしたというか、ここでできる嬉しさが少しありました」と熱量高く臨んで62分間プレー。攻撃参加の機会が少なかったことやウィークポイントだという背後を取られたシーンを反省しつつ、「喋ることだったり、細かい一つ一つのカバーだったりは切らさずできた」と一定の手応えも感じたようだ。
リーグ戦デビューとなった一方、トップチームで試合に出場するのは2試合目だった。入学早々の5月11日に行った明治立教定期戦でフル出場していた。ただトップチームに定着することはできず、この一戦から5か月以上を経ての待望デビュー。「定期戦は今よりも何にもできなくてめちゃくちゃ悔しい思いをして、あのときにサッカーと向き合う姿勢を今一度考えさせられた」といい、「一番は人間性が成長したというか、たくさん指導していただいて、そういうところから自分が成長できたと思っています。まだまだなんですけどそこがサッカーに繋がっているのかなと思います」と鍛錬を積んだ期間を振り返った。
その上で内山は「まだまだプレーの一個一個の質が低かったり、迫力がないところがあったりするので、もっと明治での日々を大切に」と成長意欲を示す。キャプテンのMF中村草太(4年=前橋育英高/広島内定)が「自分は1年生のときに先輩の目を気にしたりとか少なからずあったんですけど、内山はそれがなくてあいつの良さだと思う」と認めるほど、臆することのない姿勢も魅力だ。最終盤のリーグ優勝争い、その先の大学日本一に向けて新鋭の躍進に期待がかかる。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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