[11.2 ルヴァン杯決勝 名古屋3-3(PK5-4)新潟 国立]
悲願の初優勝こそならなかったが、アルビレックス新潟の16番、FW小見洋太は、間違いなく満員の国立競技場の観衆を沸かせたヒーローの一人だった。
点差は気にせず、「とにかくゴールを奪うことだけ」を考えてプレーしていたという。1点ビハインドで90分の終了を迎えるかと思われた後半アディショナルタイム5分、小見は左エリア内でボールを受けると、MF中山克広に足を引っかけられてしまう。
「引っかかった感じは自分の中ではあったけど、あとは強さをどう判定するかというところだったので、ドキドキしました」
VAR介入、そしてオン・フィールド・レビューを経てPKが確定すると、大歓声が起こる中で、小見はいつもの“チョコチョコ足”からのPKを蹴り込んで同点とする。
延長に入っても先に名古屋に勝ち越しを許したが、延長後半6分、ロングカウンターからFW長倉幹樹が出したスルーパスに小見が反応。スピードに乗ったままゴールに突き刺し、再び新潟サポーターを沸かせる同点弾を決めた。
惜しくもPK戦で敗れたことで優勝とはならなかったが、Jリーグのカップ戦における最多入場者数を更新する観衆6万2517人の前でのプレーする経験は、かけがえのないものになった。「本当に今までのサッカー人生で一番。最高の雰囲気が更新された日になりました」。
だからこそ勝利で終えられなかったことに悔しさがあふれ出る。「ここまでこれたことは本当に嬉しい気持ちですけど、優勝に届かなかったので、リベンジをするために、PK戦までいかないくらいの実力をつけて、またこの舞台に戻ってきたいと思います」と口元を引き締めた。
(取材・文 児玉幸洋)
●ルヴァン杯2024特集
Source: 国内リーグ
コメント