[11.3 選手権神奈川県予選準決勝 桐光学園高 0-2 横浜創英高 ニッパツ]
日本一への挑戦は、神奈川準決勝で終幕となった。桐光学園高は2018年以降に開催されたインターハイ6大会で優勝1度(2019年)、準優勝2度(2018年、2023年)。そして、今年も8強と上位進出を続けてきた。それでも、選手権予選で勝つことは難しい。横浜創英高に0-2で敗れ、これで3年連続の予選敗退となった。
この日の前半、桐光学園は強度の高い守備で横浜創英高のパスワークを止め、サイド攻撃やセットプレーでゴール前のシーンを作り出していた。安定感と前への強さを見せるCB杉野太一主将(3年)、攻守で高さを発揮するCB青谷舜(3年)、インターハイを負傷欠場しているGK大村明裕(3年)を中心に今年もゴール前の守りは堅い。それを支えに押し気味に試合を進めていたが、徐々にクロスやシュートへ持ち込まれる回数が増えていく。
そして前半33分と同35分に連続失点。1点目は自陣でのパスミス、2点目もクロスバーに当たったクロスの対応の甘さによる不要な失点だった。それでも、鈴木勝大監督は「取れない感じはなかったんで、1つ取ればギアが上がるかなと思っていました」。桐光学園はインターハイ準々決勝で優勝校・昌平高(埼玉)を2-0とリードしながらも追いつかれてPK戦で敗退。今度は2点差を追いついて勝つことを目指して後半を迎えた。
後半4分に青谷がクロスバー直撃の右足FK。エースFW丸茂晴翔(3年)のドリブルや裏抜け、10番MF吉田晃大(3年)のシュート、いずれも攻撃力の高い左SB陶山響(2年)、右SB武山陽介(2年)の攻め上がりも交えて反撃した。だが、後半19分に相手ハンドで得たPKのチャンスで丸茂の右足シュートが止められてしまう。その後はより相手を押し込んで連続攻撃を繰り出したものの、「チーム全体としてのクオリティを上げられなかった」(鈴木監督)。最後まで1点を奪えず、敗退が決まった。
今年のインターハイは、PKでも抜群の強さを見せる大村、また3回戦で負傷離脱した丸茂を欠く中で奮闘。今大会は彼らの復帰に加え、下級生の突き上げもある中での戦いだった。堅守をベースに選手権で勝ち上がるだけの力があったことは確か。だが、この日はゴール前の局面で最後の一歩を踏み出して決めること、守ることが不足。鈴木監督はそれを表現するだけの準備ができていたかを問いかける。
「『その一瞬が人生を変えることがある』と思うんで、そのためにやっぱり最善の準備をして欲しい。ウチが今日、120パーセントの準備をしてここに乗り込めたとかと言えば、それはクエスチョンなんで、そういうところは次のステージで活かして欲しい」
桐光学園OBの日本代表FW小川航基(NEC)は大怪我などを乗り越えて現在、オランダや日本代表で躍動中。大学を経て小川のように上のステージを目指す3年生や1、2年生もこの日の敗戦を将来に活かす。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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