[11.9 関東大学L1部第21節 明治大 0-0 日本大 八幡山G]
首位の明治大は9日、関東大学リーグ1部第21節の日本大戦を0-0で終え、最終節で優勝争いの決着をつけることになった。4試合連続のクリーンシートに貢献したDF小澤晴樹(2年=大宮U18)は最終決戦に向け、「次の試合に勝って無敗優勝を成し遂げたい」と偉業達成へ意気込んだ。
明治大は開幕からの無敗をキープし、現行方式のリーグ記録だった11戦無敗を大きく上回る21試合にまで伸ばした。ただ2位の筑波大と勝ち点2差で迎えた今節、翌日に試合を行う優勝争いのライバルに大きなプレッシャーを与えられる状況での一戦はスコアレスドローで終了。筑波大が10日の桐蔭横浜大戦に勝利した場合、同勝ち点で最終節に臨むこととなる。
小澤はホーム最終戦での引き分けに悔しさを示すと、「後半に明治のサッカーを体現できたのは凄く良いと思いますし、それを前半からできたり、修正できていたりすれば勝てたのかなと」と試合を振り返った。実際、後半は押し込む時間が目立ったものの、前半はボールを持つ日本大と拮抗した展開になった。その中で小澤は「日大はボールを回すのがすごく上手いので、自分たちは声をかけることを意識した」と集中を保ち続けていたという。
これは小澤が今シーズンに大きく力をつけた部分だ。「今はやっぱり4年生のGK上林(豪)さん、MF常盤(亨太)さんだったり、FW中村(草太)さんだったりがリーダシップを発揮して支えていただいている部分がある」と先輩の凄みを示しつつ、「CBとして圧倒的なリーダーシップはないといけないと思いますし、特に声を出すことは日頃の練習から意識しています」と取り組んできた。
「やっぱり喋ることは今年圧倒的に変わったのかなと自分自身思っていて。昨年だったり大宮U18時代の頃はコーチングが全然足りなくて、CBとしての存在感がなかった。今年に入って声を出すことだったり、リーダーシップ(を示すこと)だったりを意識して少しずつ喋れるようになっていると思います」
今季の明治大は小澤のほかDF多久島良紀(2年=青森山田高)やDF稲垣篤志(2年=浦和ユース)といった2年生が最終ラインに入ることが多い。その中で積極的に声を出し合うことで、学年に関係なく後方からチームを支える気概を示し続けている。また1年生に対しては自身が先輩に戦いやすい環境を作ってもらった経験も踏まえ、「後輩には思い切ってプレーしてもらいたい」とポジティブな声かけを意識しているようだ。
混戦の優勝争いは17日の最終節、筑波大の試合から1時間後に同じ味の素フィールド西が丘で明治大が流通経済大と対戦して決着する。明治大は優勝条件を把握した上で最終戦に臨むが、小澤は「自力で優勝できる形」と強調。前人未到の無敗優勝を意識すると「後ろがゼロにこだわっていれば必ず前の選手は点を取ってくれると思う」と5戦連続の完封にも意欲を見せ、「このチームでできる最後のリーグ戦なのでとにかく楽しみたい」と明治大らしいサッカーで歴史を刻む構えだ。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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