[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第14節 桐生一高 0-9 鹿島ユース 太田市運動公園陸上競技場]
背番号40のボランチが今季2度目のハットトリック達成。鹿島アントラーズユース(茨城)のキャプテン、MF小倉幸成(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)が余裕のあるボールキープ、スルーパスでのアシスト、強度の高い守備でも相手との違いを生み出した。
対戦した桐生一高(群馬)も賞賛したパフォーマンス。小倉は「トップでは全然足りない。夏休みに1週間とか、2週間とか練習をやらせてもらって、今、自分に役立っているし、凄く余裕ができている。(監督の)岩政さん含めて参加させてくれた人に感謝しています」という。
いずれも1タッチでのサイドチェンジ、スルーパス、シュートと高い技術力も発揮したが、本人はトップのレベルと比べるとまだまだ技術力が足りないと自己分析。加えて、トップへ行くために不足していると感じたのが結果だ。ボランチとしてゲームメークや得意とする守備の役割を全うするだけでなく、結果にもよりこだわるようになった。
この日の3つのゴールはPK、クロスからのダイレクトボレー、そして「あそこは(コーチとしてベンチ入りしている小笠原)満男さんも現役の時にあった。そういう相手の意表を突くことを自分は意識してGKの位置とかいつも見ています」という約60mの超ロングシュートによるものだ。
これで、今季プリンスリーグ関東1部での得点数は9。得点ランキングでもチームメートのFW馬目隼乃介(3年)らに続き、3位に入っている。「個人的にもそういうところ(得点)にこだわっていかないと、目立てないなと。人との違いを生み出せない」。ボランチとしては堂々の数字だが、まだまだ得点を積み重ねる考えだ。
点差が開いても味方に要求し、鼓舞し続ける声も印象的だった。「(出ているメンバーに)1個下、2個下がいるので、点差が開いていても無失点で終われたことがきょう自分としても良かったなと思うし、そこで1失点してしまうと違うなと自分では思っていたので、集中できる声だったり、最後まで鼓舞できるのは自分がやらないといけないことなので意識してやりました」。最後まで緩むことなく、9-0で勝利。チームとしても、個人としても会心の90分間になった。
「今年は自分が攻撃の起点だったり、守備も全部できるようにならないとこのチームは良くなっていかないと思うので。自分が違いを出していけばチームはもっと良くなっていくと思います」。トップで学んだことを少しでも還元し、チームの勝利、プレミアリーグ昇格に結びつけること。そして、現状に満足することなく、小柄な身体でプロになり活躍するためには何が必要か、必死に探りながら上を目指す。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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