「自分たちが見てきた東福岡は全国制覇する東福岡」。DF柴田陽仁主将を中心に一戦必勝、“赤い彗星”は今冬の選手権で輝きを取り戻す

東福岡高の左SB柴田陽仁主将(3年=西南FC U-15出身、右)が相手の攻撃に対応する
[11.20 プレミアリーグWEST第12節 静岡学園高 0-0 東福岡高 時之栖A]

 東福岡高は勝ち切ることこそできなかったものの、プレミアリーグWEST19試合で8試合目の無失点。リーグ上位の堅守を発揮し、選手権で優勝を争うライバル・静岡学園高と0-0で引き分けた。

 DF柴田陽仁(3年=西南FC U-15出身)は、「相手の決定機の数も1個、2個ぐらいで、ほんとにもうシュート本数(4本)もあまり打たれてないと思いますし、守備の部分ではほんとに100点ではないですけど、平均以上できたかなと思います」と胸を張る。

 ドリブルを得意とする選手が揃う静岡学園をサイドで止めたことも無失点の要因の一つ。左SBの柴田は相手の注目ドリブラー、MF加藤佑基(3年)やFW大木悠羽(3年)とマッチアップし、ほとんど突破をさせなかった。

「(監督の)平岡(道浩)先生だったり、野瀬(大熙コーチ)先生だったり、今日、試合前に『サイドが鍵になる』って言われたんで、相手のサイドハーフが上手かったのは知っていたから、やっぱりそこで自分も、(右SBの)福川(聖人)も対人の守備っていうものは自信があるんで、間合いを意識して今まで積み重ねてきたものを発揮できたかなと思います」。3年ぶりに出場する選手権の初戦の対戦相手は、尚志高(福島)。柴田はU-17日本高校選抜の注目レフティーMF大内完介(3年)とのマッチアップが予想されるが、もちろん負けるつもりはない。

 柴田は「プレミア(リーグ)や全国大会になってきたら、本当にサイドアタッカーの質はほんとに高いと思います。いい選手ばっかりだと思うけれど、自分もほんとに今まで努力してきたんで、絶対に負けない粘り強さだったり、いい間合いっていうものを意識して。自分たちがサイド止めたら、あとのCBとキーパーは本当に安定してるんで、絶対に負けないように頑張りたいです」と意気込んだ。

 選手権の目標は全国制覇だ。柴田は「自分たちが見てきた東福岡は全国制覇する東福岡なんで、(就任1年目の)平岡先生になった新しい東福岡っていうのもそうですけど、また強い強豪・東福岡っていうのを取り戻したいです」。“赤い彗星”こと東福岡は1997年度に全国3冠。1998年度選手権で連覇を果たし、2015年度にも選手権、インターハイの2冠を成し遂げている。過去2年の選手権は予選敗退に終わっているが、今年の予選は攻守で強さを示して復活V。全国大会は青森山田高や静岡学園、尚志とともに激戦区のAブロックに入る組み合わせだが、先を見すぎることはない。

「抽選会のインタビューでも言ったんですけど、本当に強豪校がいるとかそんなん自分たちのやることには関係ないです。もう1戦1戦ずっと県大会の時から言われて、やってきたんで、目の前の試合に、ほんとに魂持って、気持ち込めてプレーしたら自ずと優勝っていう結果が得られると思うんで、先を見ずに、まずはしっかり目の前のこと、目の前の1試合というものにこだわって勝っていきたいです」(柴田)。

 この日は攻撃面の質を欠くなど、このままでは勝てないことを学んだ。よりパスワークやカウンターの精度を向上させて選手権へ。そして、各選手が勝利への強い執念も示していた福岡予選同様、一戦必勝で“強い・東福岡”を取り戻す。
 
(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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