[12.8 J1第38節 神戸3-0湘南 ノエスタ]
FW武藤嘉紀はここ数日の苦悩を明かした。「この一週間は人生で一番長い一週間だった。優勝を逃した夢をみて起きることが2、3回続いて、メンタルもかなり堪えていた。だから喜びは計り知れないです」。
最終節を首位で迎えていたヴィッセル神戸だが、前節の敵地での柏戦は、終了間際の同点弾によって辛くもドロー。ここで得た勝ち点1は心理的にもとても大きなものになったが、武藤はプレッシャーを感じ続けていたという。「タカ(扇原)のゴールが決まった瞬間は正直ホッとして、勝手に涙が出てきた」。試合中の涙の理由も語った。
連覇を目指した今年の神戸で、武藤は昨年を上回る13得点を記録。キャリアハイタイとなる得点数は、チーム得点王の数字にもなった。シーズンMVPの期待も聞こえる中で、今季が契約最終年となることから、他クラブの関心も伝えられている。
今季について、「あばらも折ったし、とにかく気合で乗り切った1年だった」と振り返った武藤。「2冠プラス連覇ができて、すべてが報われた」と充実の表情もみせる。さらに今後の去就についても口を開く。「ヴィッセルが自分に対してどう思っているのかも考えて、何が自分とって一番いいのかを考えて意思決定をしたい」と言葉を選ぶようにして慎重に話した。
「僕が(神戸に来るとき)古巣のオファーを断ったと記事で出たけど、その時は逆に必要ないと言われた。当時はブラジル人が3人いて、当時の監督が必要としていないと言われた。でも神戸からの信頼があって、これだけの結果が出せた。そういったものをしっかりと大事にして決断したいと思います」
取材に応じた永井秀樹スポーツダイレクターも武藤について言及。クラブからすでに条件提示を済ませていることを明かすと、「クラブとしては最大限の評価をしている。絶対的に必要な選手。いい形でお話ができるようにしたい」と全力で引き止めたい考えを話した。
(取材・文 児玉幸洋)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2024シーズンJリーグ特集
Source: 国内リーグ
コメント