2028年ロサンゼルスオリンピックに向けて再始動となる大岩剛監督は、U-23の“ポストユース”世代の重要性を語った。13日に都内で行われた続投会見で「重要性はパリオリンピックまで率いた2年半で感じたし、それが日本サッカー界において最重要課題。ポストユースを率いる大きさを感じている。その経験を活かせるのであれば」と自身にとって2度目の五輪出場を目指す意気込みを口にした。
パリ五輪は準々決勝で敗退した。しかし、山本昌邦ナショナルチームダイレクターを始めとした日本サッカー協会(JFA)は、難しい選手選考のなかでも8大会連続で五輪出場を決めた大岩監督の手腕を評価。「親近感もあり、謙虚で選手の話も聞き、モチベーターでもある」(山本ND)。結果だけでなく、選手育成も含めたところでの評価を高め、今回の続投に至った。
具体的なオファーはパリ五輪敗退後にあったという。大岩監督は「私自身も振り返りをするなかで、個人的な考えや悔しさも含めて、もう少しできたのではないかという思いも含め、協会と話をしていき、山本NDから続投の話をいただいた」と経緯を明かす。それでも、Jクラブのオファーも含めた多くの可能性を吟味した。
「私自身もいろんなオファーがある中で時間をいただいたのが正直なところ。ただ、クラブを率いることと、日本代表を率いることはまったく違う仕事になる。そういうところは総合的に判断をして、今回の決断をした」(大岩監督)。10月末までにはオファーをしたJクラブと並行して交渉を進め、最終的に再び五輪を目指すことを決意した。
パリ五輪準々決勝でスペインに敗れたことを、山本NDは「スペインにわずかに足りなかった。そのわずかな差を知っている監督が、次の世代にそれを植え付けて成長につなげていく」と強調した。一方で、大岩監督はその“わずか”について「わずかがたくさんあった。それが大きな差になった」と表現。「この年代が国際試合で強い国と戦うことでその差を埋めていく。経験を選手に伝えながら、なんとか乗り越えていけるようにしたい」と力を込めた。
(取材・文 石川祐介)
Source: サッカー日本代表
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