先輩と並ぶプレミア20発が自信に。ファイナルで2G1Aの大津FW山下景司は選手権でも得点王と日本一に挑戦

後半45+4分、大津高FW山下景司(3年=ソレッソ熊本出身)が右足で超ロングシュートを決めて3-0
[12.16 プレミアリーグファイナル 横浜FCユース 0-3 大津高 埼玉]

 プレミアリーグWEST得点王のFW山下景司(3年=ソレッソ熊本出身)が、プレミアリーグファイナルで2ゴール1アシスト。「(サッカー部の仲間たちが)『自分に頼んだぞ』っていうことは何回も言われてたので、そういった人の思いも背負いながらっていうのは自分自身、プレッシャーではありましたけど、誇りに思ってワクワクしながらプレーしていました」という“決勝戦”で活躍し、公立校の大津高を初の日本一へ導いた。

 1-0の後半31分、右サイドにボールを展開すると、ゴール前にポジショニング。右SB野口悠真(3年)のアーリークロスを頭でゴールへ叩き込んだ。「野口からいいボールが来るって信じていて、いいポジショニング取れたので。本当にいいボールが来たお陰で決められた」という一撃。後半、攻め続けながらも追加点を奪えなかったチームにとっても大きな1点となった。

 山下は今季リーグ戦で20得点をマークしているが、ヘディングでのゴールは「1点か2点しか決めれてない中で、練習、朝練であったりで積み上げてきたものが出せて良かったかなと思います」。積み重ねてきたことを大一番で表現できたことを喜んだ。

 その山下は試合終了間際に優勝を決定づけるスーパーゴール。後半45+4分、ハーフウェーライン付近でボールを持つと、相手GKが前方に出ていることを見逃さず、右足で超ロングシュートを放った。「自分自身、ああいったシュートは得意というか好きなプレーなので。コースが見えた瞬間はもう思い切って打つだけだったと思います」。ボールはGKの頭上を越えて約50m先のゴールネットに吸い込まれた。

 また、山下は前半終了間際にもDF2、3人との攻防を制してMF畑拓海(3年)へパスを繋ぎ、先制点をアシストしている。この日、山下はボールを収め切れなかったり、シュートを打つ回数を増やせなかったことから、ゴールを決めるまであまり良いプレーができなかったと反省する。だが、幾度も前線でボールを引き出し、競り合いの強さを見せるなど得点以外の部分でも奮闘。そして、2ゴールを挙げたエースストライカーについて、山城朋大監督も「しっかり仕事をしてくれたので、優勝に繋がった」と讃えていた。

 プレミアリーグWESTでの20得点が自信になっている。山下は大津の先輩で、昨年の得点王MF碇明日麻(現水戸)の20得点を目標に掲げてシーズンをスタート。神戸U-18との開幕戦で2ゴールを挙げたのを皮切りに、ゴールを量産し、得点ランキング首位を快走した。

 リーグ終盤、ペースが落ちていたが、碇が応援に駆けつけていた最終節に2ゴールを加えて目標の20ゴールを達成。「(碇から)『1点は決めていいけど、2点は止めとけって言われてたんですけど、何とか並ぶことできて。超えることはできなかったんですけど、そういった先輩たちが結果を残してきたものを自分もこうやって結果を残すことができて良かった。目標を達成できたっていうのは自信になりました」と微笑んだ。

 2週間後には選手権が開幕。全国の才能たちが「得点王と日本一」という目標を掲げている中、山下もその思いが強い。1年前に出場した際と、フィジカル、スピード、そして決定力も向上した現在とでは自信が違う。

「去年も得点王なろうという意気込みでやってたんですけど、今年はほんとにその力が自分にも備わってきたと思うんで、1番自信があるので。いいFWの選手は全国にもたくさんいるんですけど、やっぱり大事な場面で点を決めるっていうのは、自分自身、この1年間、自信がついたので、得点王になって優勝したい」。FWの役割をしっかり全うしながら、厳しいマークを乗り越えて選手権でも得点王、日本一を成し遂げる。

後半31分、右クロスを頭で合わせて1点目
プレミアファイナルで歓喜を爆発
圧巻の2点目を喜ぶ
チームメートたちの支えが力に

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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