[12.16 インカレ決勝ラウンドDグループ 関西大0-2日本大 岐阜メモリアルセンター長良川メドウ]
グループリーグの初戦を落としていた日本大(関東6)だが、2戦目は関西大(関西2)に2-0で勝利した。「きょう勝たないと次がないという中で自分も気合が入っていた。この流れでもう1個勝って、2位以上を決めたい」。相手のシュートがポストに当たる場面などもあったが、無失点という結果で勝利に貢献できたことに、GK木村凌也(3年=横浜FMユース/横浜FM内定)は安堵するとともに中1日で迎える東洋大との一番に向け、気持ちを切り替えていた。
「1年早く行くからには、ここで結果を残したい。この大会(インカレ)が最後になるので、結果を残していきたいと思っています」
1年早く、大学サッカー部を切り上げて、25シーズンより横浜F・マリノスでプロ生活をスタートさせることを決めた。コロナ禍もあって代表活動が難しかった世代だが、木村は大学に入学したころから再開された世代別代表にコンスタントに招集を受け、23年にU-20ワールドカップには守護神として出場。Jリーガーに負けないパフォーマンスを続けてきた。
そこで今回の発表があった。昨年まではじっくり大学で力をつけてからでも遅くはないと考えていたが、今年1月に横浜FMのキャンプに参加して考えが変わったという。「大学では感じられないものを感じた。まだまだだなと。マリノスでやればもっと早く追いつけるのかなと思った」。今季前半は怪我もあったことから即決断とはならなかったが、考えは今年1月の時点で固めていたようだ。
“1年目”からやれる自信もある。4年ぶりの復帰が決まったGK朴一圭の加入は「びっくりした」と本音をのぞかせるが、「経験のある選手だと思うし、飯倉選手もいる。ベテランと言われる選手がいる中でやれることは学びも多いと思う。でもスタメン争いに食い込んでいける自信はある。まだまだ課題はあるけど、自分に必要なプレーを盗みながら成長していきたい」と力強く話す。
木村の決断を評価するのが、小島伸幸コーチだ。大学入学直後から指導してきた元日本代表の同氏も「すぐ行っても大丈夫。レベルの高い環境でやれるのであれば、そっちの方がいい」と太鼓判を押す。ただ「あとはスピード感や強度への慣れ」が必要だと続けると、「スピードが上がったときに掴むとか弾く技術。今のレベルだといいけど、もうひとつ上がったときにどのくらいできるか。守備範囲をどれだけ広げられるかが課題になってくる」と更なる成長を求めていた。
(取材・文 児玉幸洋)
●第73回全日本大学選手権(インカレ)特集
Source: 大学高校サッカー
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