新潟医福大の群馬内定DF秋元琉星はJ1内定2トップを完全封印、「決勝に行くためにやってきた」2度の全国準V知る男が“3度目の正直”へ

新潟医療福祉大DF秋元琉星(4年)
[12.16 インカレ決勝ラウンド第2節 新潟医療福祉大 1-0 桐蔭横浜大 J-GREEN堺メインフィールド]

 大学で2度の全国準優勝を味わった男は、最後の舞台で雪辱を誓う。新潟医療福祉大のキャプテンDF秋元琉星(4年=青森山田高/群馬内定)は、2年前のインカレ決勝で敗れた桐蔭横浜大を相手に完封達成。「大学として2連敗はしたくない」とリベンジ達成の喜びを噛み締めた。

 7日のプレーオフ・日本文理大戦を5-0と快勝した新潟医福大は、グループリーグ初戦・中京大戦で2-1と逆転勝利。第2戦の相手は、一昨年インカレ決勝で敗れた桐横大。当時は点の取り合いの末、後半終了直前にFW山田新(現川崎F)の一発に沈められた。当時2年生だった秋元はフル出場。ピッチの上で敗戦の悔しさを味わった。

 今回秋元がマッチアップしたのは、2年前にも得点を決められたMF笠井佳祐(4年=関東一高/新潟内定)、そしてFW渡邊啓吾(4年=旭川実高/湘南内定)。特に新潟医福大の最終ラインに張り付いた大型FW渡邊に対し、秋元は冷静に対処。90分間で仕事をさせることなく、前線が勝ち取った1点のリードを守り抜いた。

「強力な2トップだったけど、相手がJ(内定)だろうが関係ない。デンソーとかでもやっていたので、ある程度イメージはできていた」。昨年度のデンソーカップチャレンジサッカー福島大会(デンチャレ)ではプレーオフ選抜ながらベストイレブンを受賞。フィジカルとスキルの成長だけでなく、並みいる大学屈指のアタッカーを封じた経験が、秋元に自信と余裕も与えていた。

 ひとつ雪辱を果たした新潟医福大はグループリーグ2連勝。18日の次節を引き分け以上で準々決勝進出が決まる。しかし、その一戦はもうひとつのリベンジマッチ。対する阪南大は、今年夏の総理大臣杯決勝で敗れた相手だ。

 大臣杯決勝でも1-1の末、2年前のインカレ決勝と同じく後半アディショナルタイムで勝ち越し点を決められた。「どっちとも最後の最後でやられている。自分が全部守れるくらいの力が足りなかった。最後までの集中力だったり、その前に仕留めるところは仕留めなくてはいけない」。秋元は2度目のリベンジに燃えながら、悲願の大学日本一への意気込みを口にする。

「個人としては決勝で負けっぱなしなので。先のことは考えずとは言うけれど、やっぱり決勝に行くためにやってきたので。みんなもそういう気持ちでやっていると思う。本当に今大会に懸ける思いは強い」。来シーズンからはザスパ群馬の一員としてJの舞台に上がる。その前に、大学でやり残したことを果たさなくてはいけない。「優勝して自信を持ってプロに行けたら」と有終の美を誓った。

(取材・文 石川祐介)


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Source: 大学高校サッカー

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