[12.19 練習試合 U-19日本代表候補 5-2 流通経済大 高円宮記念JFA夢フィールド]
来年2月に中国で開催されるAFC U20アジアカップが控えるU-19日本代表候補は19日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで流通経済大と練習試合を行い、5-2で勝利した。3本30分形式で1本目はFW井上愛簾(広島)、MF佐藤龍之介(FC東京)、MF大関友翔(福島)のゴールで3-0、2本目は流経大FW石川裕雅(3年=流通経済大柏高)にミドルを決められるが、FW高岡伶颯(日章学園高)が1点を決めて1-1、3本目はFW徳田誉(鹿島)が1点を決めるが、MF谷野暁希(2年=磐田東高)に1点を決められて1-1となった。
2028年ロサンゼルスオリンピック世代でもあるU-19日本代表候補は、来年2月のU20アジアカップでベスト4に入ると、9月にチリで行われるU-20ワールドカップ出場が決定する。
今月12日にはロス五輪を目指すU-23日本代表の監督として大岩剛監督の続投が決定。だが、U-20世代のアジア杯とW杯については船越優蔵監督が引き続き指揮を執る。大岩監督は来年6月以降に活動をスタート。当面はインターナショナルマッチウィークを使い、海外組を中心とした選手たちの育成を担っていく。
【1本目】
▽U-19日本代表候補
神田
佐藤 井上
鈴木 小倉 大関 梅木
喜多 市原 土屋
中村
▽流経大
松永 石川
寶船 大氏
小林 松本
萩原 西川 坂本 光廣
デューフ
今回の練習試合はU20アジア杯のためのテストとなった。U-19日本代表候補の1本目は3-4-3の布陣を敷く。GKは中村圭佑、3バックは左からDF喜多壱也、DF市原吏音、DF土屋櫂大。ウイングバックは左がDF鈴木善(國學院大)、右がDF梅木怜。2ボランチはMF小倉幸成(法政大)とMF大関友翔。前線3人は佐藤、FW神田奏真(川崎F)、井上が並んだ。
流経大の1本目は、昨年U-19日本代表候補にも選出されたGKデューフエマニエル凛太朗(2年)、前線には全日本大学選抜のMF松永颯汰(3年)など実力者が揃う。4-4-2の布陣でGKはデューフ、4バックは左からDF萩原聖也(2年)、DF西川楓人(2年)、DF坂本光(3年)、DF光廣健利(3年)。2ボランチはMF小林恭太(3年)とMF松本洋汰(3年)。サイドハーフは左がMF寶船月斗(3年)、右がMF大氏凛州(3年)。2トップは石川と松永が並んだ。
序盤からU-19日本代表候補が躍動する。4分、中盤の大関からロングボールが飛び、右サイドの佐藤が反応。敵陣近くまで突破してポケットにパスを入れると、最後は井上が角度のないところから右足シュートを決め、先制に成功した。1分後の右CKでは大関が左足でキック。189cmの喜多が頭で合わせるが、わずかにゴール枠を捉えなかった。
11分には佐藤が右足ミドルを沈めて2点目。その4分後には大関も冷静にチーム3点目を挙げる。流経大にほとんどシュートを打たせることなく、1本目を3-0で終えた。
【2本目】
▽U-19日本代表候補
高岡
石井 末永 中川
大関(布施) 嶋本
鈴木 塩川 本多 布施(本間)
小林(荒木)
▽流経大
松永 石川
寶船 大氏
小林 松本
萩原 西川 田中 光廣
デューフ
U-19日本代表候補の2本目は4-4-2の布陣。GKは小林将天(FC東京)、4バックは鈴木、DF塩川桜道(流通経済大)、DF本多康太郎(湘南U-18)、DF布施克真(日大藤沢高)。2ボランチは大関とMF嶋本悠大(大津高)。サイドハーフは左がMF石井久継(湘南)、右がMF中川育(流通経済大)。2トップはFW高岡伶颯(日章学園高)と、トップ下気味にMF末永透瑛(山口)が入った。
流経大の2本目は1人のみ変更。坂本の位置にDF田中百々輝(3年=神戸弘陵高)が入った。6分、流経大は光廣のパスを受けた石川がドリブルから左足シュートを決めて1点を返す。U-19日本代表候補は高岡が最前線から鋭くプレスをかけ続けた。
全選手にプレータイムを均等に与えたいU-19日本代表候補は17分に2枚替え。大関に代えてDF本間ジャスティン、GK小林に代えて荒木琉偉(G大阪ユース)を投入する。右SBの布施が大関がいたボランチに入り、本間は右SBを務めた。
18分には高岡がショートカウンターから右足シュートを沈める。22分には松永のクロスから光廣にヘディングシュートを打たれるが、荒木が好セーブでゴールを阻んだ。
高岡は2本目終了直前に両サイドからクロスが入るも合わせられず。公式戦ではないにもかかわらず地面を強く叩き、この合宿に懸ける思いをのぞかせた。2本目は1-1で終わった。
【3本目】
▽U-19日本代表候補
徳田
平賀 齋藤
行友 小倉 嶋本 本間
塩川 土屋 本多
荒木(後藤)
▽流経大
大山
村木 田中侍
細谷 原田 岡野 谷野
田中百 西川 石原
小島
U-19日本代表候補の3本目は、再び3-4-3。GKは引き続き荒木、3バックは左から塩川、土屋、本多。ウイングバックは左がMF行友翔哉(愛媛)、右が本間。2ボランチは小倉と嶋本。前線3人はMF平賀大空、徳田、MF齋藤俊輔(水戸)が並んだ。
流経大の3本目は大幅にメンバー替え。3-4-3の布陣でGKに小島元輝(2年=近江高)、3バックは左から田中、西川、DF石原未蘭(1年=広島ユース)。ウイングバックは左がMF細谷怜大(1年=拓大紅陵高)、右が谷野。前線3人はFW村木煇(1年=岡山U-18)、FW大山幸路(1年=鹿島ユース)、MF田中侍賢(1年=清水ユース)となった。
7分、徳田がPA内でボールを収めて左足シュートでチーム5点目を決める。8分には荒木が下がってGK後藤亘(FC東京U-18)が出場し、これで27人全員が出場した。13分には相手のクロスからヘディングシュートを食らうが、後藤が好反応でセーブ。22分には齋藤が平賀とのワンツーで右サイドを突破し、PA右から右足シュートを放つが、わずかに枠の外に外れた。
24分には流経大が再び1点を返す。谷野が敵陣内に入り込んで右足シュートを決めた。終盤にもチャンスを作るが、GK後藤の好セーブに再び阻まれた。3本目も1-1で終了。3本合計5-2でU-19日本代表候補が勝利した。
船越監督は選手たちのモチベーションの高さを称賛。「こっちがちょっと心配するくらい(笑)。でも、それくらい高くやってくれたので、本当にすばらしかった」と目を細めた。
練習試合では27人全員を出場させ、3バックや4バックをテスト。「(11月)メキシコ遠征でも試した。向こうの監督とも色々ディスカッションしながら、僕らもヒントを得られた」(船越監督)。各ポジションに置いたときの周囲の選手との組み合わせをチェックした。それは今回の活動だけでなく、先を見据えたものでもある。
「A代表だって3バックや4バックをやっている。監督が変われば(布陣も)変わる。僕たちの使命はそこに1人でも多くの選手を送り出すことなので、そこに行ったときにすぐアダプトできる選手という意味で、どんな監督でもどんなシステムでもできないといけない」
もっとも、育成をしながら勝利も得る両立が必要だ。U-19日本代表は来年2月に中国で行われるU20アジア杯へ。国内組はここからオフになるが、菅野淳フィジカルコーチが全員と面談。個別でコンディション調整の話をしたという。「ただ、シーズンが始まると所属チームに任せることが多くなる。それはコミュニケーションを取りながら、僕らもキャンプに行ったりしながらやらないと。ここはちょっと難しいところ」。2か月後の戦いに向け、綿密な準備がすでに始まっているようだ。
(取材・文 石川祐介)
Source: サッカー日本代表
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