アジア大会男子サッカー決勝が7日、中国杭州の黄龍体育センタースタジアムで開催される。激突するのは、日本と韓国だ。
大会の年齢制限は「U-24+オーバーエイジ3名」だが、日本やウズベキスタン、サウジアラビアといった国々はこの大会に来年のパリ五輪を見据えてU-22チームで参戦している。また日本は大会直前に行われていたAFC U23アジアカップ予選のメンバー全員を招集外にし、フレッシュな陣容でこの大会に挑んできた。
このため、大会を戦いながらチームになっていくという過程を踏むことになった。主将を任されたDF馬場晴也(札幌)はノックアウトステージを前に、「段々と良いチームになってきたし、もっと良いチームになると思う」と語っていたが、決勝を前にして「良いチームになった」と胸を張った。
「全員の力で戦って勝つ」ことを強調してきた大岩剛監督も、国際経験、代表経験の少ない選手たちの成長に手応えを感じたことを明かすと同時に、この代表から「引き上げられる」選手が出て来ていることにも手応えを感じている様子だ。
決勝に向けても「全員で戦う」ことを重視する指揮官は、ピッチ内だけでなくピッチ外で貢献を続ける「全員」がいることも強調した。
「スタッフがみんな本当に良い仕事をしてくれている。例えば、テクニカル(主に分析を担当するスタッフ)の越智滋之と渡邉秀朗は毎回すごい情報量を集めて、素晴らしい分析を提示してくれている。決勝ではPK戦もあるが、そのための情報もしっかり準備してくれていたので、(PKになったとしても)まったく不安はない」(大岩監督)
確かに韓国は「U-24+オーバーエイジ」というアジア大会で金メダルを獲るための陣容を整えてきた強敵。間違いなくこれまでの相手とはレベルが一段も二段も違う。ただ、大岩監督は「まず自分たちがやるべきことをやる」ことの重要性を強調する。
「韓国は個人個人が高い力量を持っているし、ポテンシャルのある選手が揃っている。ただ、だからこそ、自分たちのスタイルをしっかり出すことで、相手の強みを減らしていく必要がある」(大岩監督)
相手の強さにビビって腰の引けた戦いをしてしまうようだと、立ち上がりから確実に喰われてしまうだろう。自分たちのやってきたこと、積み上げたものを臆せず出していくことができるかどうかだ。
アジア大会が始まったときと今とではトレーニングに臨む雰囲気からして明らかに違う。「はじめまして」の選手だらけで、ぎこちなさのあったあの時に韓国と当たっても粉砕されただけだろうが、「全員で戦えるチーム」(馬場)になった今なら勝機はある。
日本時間7日午後9時。日韓決勝の幕が開ける。
(取材・文 川端暁彦)
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Source: サッカー日本代表
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