「メラメラしていますよ。楽しみでしょうがない」
アジア大会男子サッカー決勝、U-24韓国代表戦を前にしてそう不敵に笑ったのはU-22日本代表DF馬場晴也(札幌)だ。
「準決勝が終わってすぐ、(日本の試合直後に始まっていた)韓国とウズベキスタンの試合が何対何かも確認したし、『韓国来い!』と思っていた。本当に楽しみだし、叩きつぶしたい」(馬場)
決して韓国の実力を侮って言っているわけではない。むしろ、真逆だ。
「(韓国は)個ではがしてくるチームだし、カウンターもある。あとセットプレーも今までの相手とは迫力がまるで違う」と、映像を観て、より警戒心を強めている。
馬場も出場した昨年のAFC U23アジアカップでは3-0と大勝しているが、「あのときも『相手が外してくれただけ』というのも結構あっての3-0なので、点差ほどの試合じゃなかった」と振り返る。
当然、「絶対に耐える時間帯もあると思っている」とした上で、「そこはCB同士でしっかりコミュニケーションを取って我慢するところはしないといけない」と割り切って守りに徹する時間が出てくることも想定内。ただ、それだけで終わるつもりもない。
「(準々決勝の)北朝鮮戦も相手が前から激しく来ているときに、余裕を持ってポジションを取っていれば、十分にパスではがせたと思う。前から来てもビビらず、いつも通りの立ち位置をしっかり取れば、自分たちのペースでやれると思っている」
日韓戦という状況が馬場を「メラメラ」させているのだが、もう一つの要素もある。
「俺たちは『2軍』とか言われていたけど、ここで韓国をぶっ倒せば払しょくできる。俺自身もそうだし、みんながそこにメラメラしている部分はある」
主将を任されてチーム全体の様子も見ながら戦っていき、チームとしてまとまった手応えもある。
「急に集まったチームでしたけど、今まで自分がやった代表活動の中で一番チームとして成長できた実感がある。個人のメラメラした思いとチームとしての一体感を合わせれば、すごい試合ができると思っている」
最強メンバーの韓国を相手に、「2軍」と言われたチームが勝ち切る。そんな痛快なストーリーを思い描く馬場主将の言葉には、「メラメラ」とした思いがこもっていた。
(取材・文 川端暁彦)
●第19回アジア大会特集ページ
Source: サッカー日本代表
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