[1.6 NB CUP準決勝 東山高 2-1 中央学院高 時之栖裾野C]
今年は、対戦相手を「圧倒する」。中央学院高(千葉)は「NEW BALANCE CUP 2025 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)で3位に食い込んだ。1次リーグで鵬学園高(石川)、日大藤沢高(神奈川)、初芝橋本高(和歌山)相手に3連勝。決勝トーナメントでも旭川実高(北海道)、武南高(埼玉)に勝利し、4強入りを果たした。
準決勝では東山高(京都)に1-2で惜敗。後半開始直後に快足FW小澤日和太(2年)が自ら獲得したPKを右足で決めて同点に追いつく。さらに小澤の仕掛けから勝ち越しのチャンス。ビルドアップでのミスから再び勝ち越されたものの、MF森川莉玖(2年)やMF青山咲太(2年)ら各選手が中央学院独特のテクニック、アイディアを発揮し、狭い局面を攻略しながら相手ゴールに迫っていた。
徹底してボールを繋いで攻める中、相手に囲い込まれて失うシーンも。鋭いサイド攻撃を受けたが、CB中田大翔(2年)中心に凌いで攻め返す。そして、小澤のクロスから青山が決定的なヘッドを放ち、試合終了間際にはCB菅原響(2年)の攻め上がりから最後は小澤がシュートへ持ち込んだ。だが、相手GKのビッグセーブに阻まれるなど同点に追いつくことができなかった。
惜しくも準決勝敗退となったが、3位決定戦で日大藤沢に3-0で勝利して3位。「個の能力が高い」(森川)という今年、チームは1タッチ、2タッチのパスを意識しながら、最後の局面でその特長を発揮しようとしている。
この日、特長のボールを失わない力や奪取力を表現していた森川は、「みんな疲労も溜まっていて、今日の試合とかはあんまいつも通り動けたりできなかったんですけれども、この大会を通して自信に繋がったというところはあります」。ベンチにも特長のある選手が多い。大会最終日まで真剣勝負で経験を積めたことは、今後に繋がりそうだ。
森川は岡山セゾン出身。「来る前は、自分はドリブルだけがしたいという結構、自分勝手なプレーが多かったんですけれども、こっちに来てから1年生から出させてもらって、(一昨年度のエースで現東海学園大のFW高橋)旺良君や(昨年のエースMF)手塚(柑汰)君という先輩がいて、『こういうパスの出し方があるんや』とか色々な発見があって、そういった良いものを見ることができたので、こっち来てから選択肢が増えるようになりました」という。
現在はチームメートが力を発揮しやすいように、カバーリングやパスコースを作ることを意識。その上で状況が悪い時には、自らドリブルやパスで相手を剥がすことでチームを引っ張っている。
2024年はインターハイ予選で市立船橋高、選手権予選は日体大柏高を苦しめながらも、いずれもあと一歩のところで敗れている。森川は今年の目標について、「中央学院として初の全国はもちろん、リーグ戦やインターハイでしっかり勝ちを目指すんですけれども、自分は目の前の勝ちより相手を圧倒するようなサッカーがしたいので。そうすれば、結果も出てくると思う。今年の目標は相手を圧倒する、ということです」。年始に自信をつけた”千葉の技巧派集団”は、特長をより磨いて各大会で「相手を圧倒する」。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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