U-20日本代表帯同でJ3相手に爪痕残すも「全然でした」…J注目の185cm大器・鹿児島城西FW大石脩斗は自らに厳しく、日本一掲げる新シーズンへ

圧倒的な推進力でボールを持ち運ぶFW大石脩斗(2年)
 鹿児島城西高を8年ぶりの全国高校選手権に導いたエースFW大石脩斗(2年=太陽スポーツクラブU-15出身)は1回戦敗退に終わった大会後、本州の地に渡り、唯一下級生でメンバー入りした日本高校選抜候補、トレーニングパートナーに抜擢されたU-20日本代表の活動を通じ、明らかな爪痕を残してきた。

 1月下旬の日本高校選抜候補合宿では駒澤大相手にゴールを記録すると、今月上旬に行われたU-20日本代表のAFC U20アジア杯直前合宿では迫力あふれる球際と推進力で歳の差を感じさせないパフォーマンスを継続。J3のAC長野パルセイロとの練習試合では、強引なターンからのチャンスメイクや空中戦で異彩を放ったほか、鋭いプレッシングで相手のパスミスを誘い、味方の得点も導く場面も作った。

 ところが試合後、当の本人に話を聞くと、自己評価は低かった。「全く全然でした。ちょっとショックでした」。185cmの上背と高い身体能力が評価され、すでにJ1の複数クラブから関心を寄せられている大型ストライカーが掲げる基準はもちろんJ1レベル。「来たボールを全部マイボールにできなかったのと、決めるべき場面で決められなかったのが納得いかなかった」と自らに厳しい目線を向けていた。

 一つ一つのプレーに妥協はない。相手CBを背負いながら頭でフリックした場面については「後ろにそらすんじゃなくて胸で行けた」と振り返り、圧倒的な推進力で右サイドをえぐってシュートに結びつけた場面も「抜けるだけじゃなくて点を決めないと意味がない」と断言。自身のプレスで生まれたFW仲山獅恩(東京Vユース)の得点も「普段から城西高校で守備は求められているし、そこは自分の長所」とさらりと口にするのみで、「チームが勝つことも大事だけど、自分も点を決められる場面があった。FWなので点を決めないとスッキリして試合を終われない。そこが一番の課題」と熱を込めて語った。

 そんな言葉の端々から感じさせるように、大石はトレーニングパートナーという立場であっても、競争を勝ち抜くために2世代上のU-20日本代表に飛び込んでいた。「トレーニングパートナーと言われて、もちろん最初はすごい選手たちばかりだし、何か吸収しようと思った部分もあるけど、来る前に何日間かあった時に『いや、自分もそういう競争に勝っていきたいな』と思った。もっと長所を出していきたいと思っていたので、試合のパフォーマンスはダメだったなと思います」。実際にこの合宿期間中、周囲との差も感じていたという。

 1学年上でベルギー・ベフェレンでプレーする熊本ユース出身の長身FW道脇豊からは「初めて一緒に練習をしたけど、シュート一つ一つでちゃんと枠にいいボールが行っていて、自分はまだ足りないなと思った」と差を痛感。また「いろんな選手からFWだけじゃなく、後ろの選手からも、中盤の選手から、毎日の生活面でも、ストレッチの部分でも刺激になっている。負けないようにというより、これから勝ちたい」とポジションにかかわらず、吸収すべきものは多かったようだ。

 それらは全て高校に持ち帰り、チームのレベルアップにつなげる構えだ。

「自分は初めてこういったところに呼ばれたけど、みんなのコミュニケーション能力の高さを感じた。みんな本当によく喋る。試合以外でもよくサッカーの話をしていて、みんな自分から発信できるので、それをチームにも持ち帰りたい。去年は選手権で1回戦で負けてしまったけど、今年は全国優勝できると思う。自分がここで終わらずにもっと上を目指せば、チームも上を目指せると思う。まずは自分が変わらないといけない」。

 自身のパフォーマンス面でも、もう一回り大きくなった姿で新シーズンに入るつもりだ。

「もっともっと一つのチャンスをしっかり決め切るところと、そして来たボールは全部収めないといけない。もっともっと一つのチャンスをしっかり決め切るところと、そして来たボールは全部収めないといけない。(長野との試合で)一つターンしてチャンスを作れたけど、あれを全部できないといけない。一つだけじゃなくて全部マイボールにしていかないとJ1ではやっていけない。代表ではそういうところを求められると思うので、いいところもあったと思うけど、常に自分にベクトルを向けて厳しくやらないといけない。今回、そういう思いは一段と強まった。周りのみんなも自分を鍛えてやってきているので、それに負けないで自分も超えるくらいの選手にならないといけないと思います」

 ハイレベルな舞台で爪痕を残しながらも、「マジで全然です。『良かったんじゃない?』と言われることもあるけど、何が良かったのかわからないくらい」と浮かれない17歳の新シーズンは15日開幕の九州新人大会(九州高校U-17サッカー大会)から始まる。「いろんなところで自分の意識レベルが上がっているのはいいことだけど、まだまだプレーは全然ダメ。すぐにはよくならないと思うので、まずはチームに課題を持ち帰って、九州新人で優勝していい形で1年に入れれば」と大きな決意を持って挑む。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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