[国体少年男子]国体から「代表へ」「世界へ」。元気良く、目標へ向かって一丸の福岡県が逆転で初戦突破

後半21分、福岡県CB樺島勇波(福岡U-18、1年)が同点ゴール
[10.12 国体少年男子1回戦 福岡県 2-1 新潟県 OSAKO YUYA stadium]

「国体から代表へ」「国体から世界へ」。福岡県は選手たちが同じ目標を持ち、一丸となって挑戦。この日は、強敵・新潟県相手に見事な逆転勝ちを収めた。

 前半はスピードのある2トップを意識し過ぎたか、攻撃が前へ速くなり過ぎていた。失ったボールを繋がれ、DF背後への攻撃を受ける回数が増加。そして、失点し、0-1で前半を折り返すことになった。

 その中で、CB樺島勇波(福岡U-18、1年)は対人守備の強さを発揮するなど、主将のCB重松怜音(福岡大若葉高、1年)とともに貢献度の高い動き。サイドチェンジなど攻撃力も示す樺島が、後半21分に右CKから同点ヘッドを決めた。

「前半最初に得点されて厳しいゲームだったんですけれども、ハーフタイムに『自分たち、ボール持てるから落ち着いてやろう』ということを話し合って、後半から入ってきたフレッシュな選手が前からどんどんやってくれて、そこからチャンスが作れてきて、自分が決めれたので良かったです」と樺島。そして、ゴールについては「自分の武器である身体の強さを活かして相手をブロックしてヘディングをぶち込みました」と微笑んだ。

 福岡県は交代組の活躍も光った。後半26分には、FW齊藤琉稀空(東福岡高、1年)の折り返しをMF鶴元銀乃介(飯塚高、1年)が左足で決めて決勝点。手嶋俊介監督(ギラヴァンツ北九州)は「選手が思い切りやってくれるので、僕も思い切った交代策というか、そこは誰が出ても変わりがないというのが自分の中であります」と語っていたが、先発同等の力を持つ交代出場選手たちが活躍し、逆転勝ちをもたらした。

 鶴元は「けが人が出たので、その分も必死にやろうと思ってやっていたら、琉稀空がちょうど落としてくれたところを良い感じに流し込むことができました。(自分はベンチスタートだったが、)元のメンバーよりももっと良いプレーをしてアピールしたかった」。競争心も逆転勝ちの原動力となったようだ。

 昨年に続いて福岡県の指揮を執る手嶋監督は今年のチームについて、「元気が良いですね。ぼんやりプロになりたいというよりも、国体でここから代表に入るとか、ここでファイナリストになるとか、そういう目標を具体的に掲げて、それに向かうことでみんなが一つになると思う」。もちろん、ステップアップできる選手、できない選手もいるだろうが、「国体から代表へ」「国体から世界へ」など目標に向かって、本気で、一体感を持って挑戦できるのが福岡県の良さ。樺島は「この国体で、福岡でしっかりと優勝して、そこから代表の選手とかに選抜されて行って、世界に羽ばたいて行きたいと思っています」と力を込めた。

 鶴元は初戦を5-1で終えた強敵・茨城県との2回戦(13日)へ向けて、「チームの流れを変えたり、自分でチームを勝たせるようなプレーをしたいです」。逆転勝利の喜びから切り替え、ベストの準備をして2回戦のピッチに立つ。

後半26分、福岡県MF鶴元銀乃介(飯塚高)が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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