[船橋招待]失わない力に加え、ゴール前へ行く動きや守備でもイメージを表現中。静岡学園の注目MF山縣優翔は特長の賢さを極め、結果を残してプロ、代表へ

静岡学園高の注目MF山縣優翔(3年=千里丘FC出身)はクレバーさや失わない力などを発揮し、存在感
[3.29 船橋招待U-18大会 静岡学園高 0-0 徳島ユース グラスポ]

 29日、「第30回船橋招待U-18サッカー大会」で静岡学園高(静岡)と徳島ヴォルティスユース(徳島)が対戦し、0-0で引き分けた。

 雨中の難しいコンディションの中、静岡学園の24年U-16日本代表MF山縣優翔(3年=千里丘FC出身)が存在感のある動きを見せた。この試合、前からプレッシャーをかけ、1ボランチの脇を突く形などで前進してくる徳島ユースにチームがやや苦戦を強いられていたことは確か。だが、川口修監督が「大島僚太(現川崎F)みたいに、今、どの試合でも、どの相手でも安定している」と評する山縣が自分の特長を表現していた。

 飛び込んでくる相手の矢印を巧みなターンなどでズラして入れ替わり、狭い局面でも失わずに前方や隣の味方へパス。MF四海星南(3年)やFW上田悠世(3年)とのワンツーなどから攻撃の起点になり続け、チームがバタついている時間帯には「多分、修さん(川口監督)にも評価されている部分」という失わない力で、タメを作っていた。

 徳島ユースはいずれもトップチーム2種登録の24年U-17日本代表MF福田武玖主将(新3年)と、192cmCB宮村璃玖(新3年)、FW長村嶺央(新3年)らが先発。静岡学園は福田にボールを奪い返され、交代出場MF吉崎仁(新2年)やMF大坂嵐(新3年)らに押し返されるシーンもあった。

徳島ユースの192cmCB宮村璃玖は能力の高さを示した
徳島ユースのMF福田武玖主将は対人守備の強さやパスセンスを発揮

 だが、静岡学園はインサイドで先発起用されたMF藤原晃太郎(新3年)が抜群のスピードを攻守に発揮。後半も運動量を増やし、相手の速攻に良く対応していた。また、注目の188cmCB吉田俐軌(3年)が前への強さを見せるなど、決定機を作らせない。

 そして、MF四海星南(新3年)やMF神吉俊之介(新3年)、MF山田悠太(新3年)、そして山縣が目の前の相手を剥がすなど前進。相手を押し込み、山縣のポケットを突く動きや神吉の個人技などでゴール前のシーンを作り出した。だが、全体的にやや崩しにこだわり過ぎたか、シュート本数を十分に増やすことができず、GK武知萊陽(新3年)の守る相手ゴールをこじ開けることができないまま試合終了。昌平高(埼玉)に4-0、鹿島ユースに3-0で勝利したJヴィレッジカップに比べると、船橋招待U-18大会では思うような結果を残すことができていない。

静岡学園の俊足MF藤原晃太郎(新3年)は川口修監督の起用に応えて攻守に奮闘
注目の188cmCB吉田俐軌(新3年)は持ち味の潰しに加え、課題のビルドアップでも正確性を発揮した

 山縣は「今日は多分、みんなちょっと最後までなんか崩しに行っていたっていう感じで、もっと思い切って(シュートまで)行くのも重要かなっていうのを感じました」。それでも、個人としてはゴール前へ行くイメージや、守備で奪うイメージが表現できているという。

 山縣は年代別日本代表歴を持つ注目ボランチ。昨年はピッチ上で失わない力やパスセンスを発揮していた一方、フィジカル面や守備面の課題があり、安定して活躍し続けることができなかった。それでも、新チームでは中心選手の存在感と影響力。高卒でのプロ入りを目指すMFは先にJリーガーになった先輩から情報収集し、自身の成長に結びつけている。

「フロンターレに行った野田(裕人)君とかと結構電話とかで話したりする時があるんですけど、彼が今プロでやっていて基準とかを自分に伝えてくれたりするので、そういうのはモチベーションになっていたりしています。野田君とか身近にいた人がプロっていうのは一番影響を受けていますし、もらった情報とかも自分で意識しながら、まずプロになるっていうことは意識してこの1年やっていきたい」

 先輩DF野田裕人(現川崎F)や同学年の藤原のような抜群の速さや強さを備えている訳では無い。だからこそ、「自分はもっと頭を使いながら。フィジカル面も多分、最低の基準までは自分の努力で上げることはできると思うんで、今年1年で作っていって、その中でもっと自分の得意なところだったり、良さの頭の使い方とかをもっと学んでいけたらなって思っています」。課題に挙げたのはより前に出ることと、決定的なパスを増やすこと。攻撃の組み立ての質にもよりこだわっていくことが必要だ。そして、クレバーさとテクニックで相手との差を生み出し、静岡学園にゴールと白星をもたらして評価を高める。

 2008年早生まれの山縣にとっては、今秋のU-17ワールドカップ出場も目標の一つだ。「代表っていうのは自分が一番意識しているところでありますし、ワールドカップでもし選ばれて結果を残すことができたら世界っていう扉も開けてくると思うんで、そこはワールドカップに出るっていうのは目標にしています」。4月6日にはプレミアリーグWEST開幕戦で昨年の優勝チーム・大津高(熊本)と対戦。注目司令塔は体調不良や怪我などもあった昨年の悔しさをエネルギーにし、今年は4月から結果を残し続けてチャンスを掴む一年にする。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました