一昨年、昨年と夏に行われたクラブユース選手権(U-18)を連覇、昨年末にはプレミアリーグ復帰を勝ち取ったガンバ大阪ユースから、多くの選手が大学サッカー界に羽ばたいた。関東1部に進学した3選手は、スタメン出場を勝ち取っている。


ユースで10番をつけていたMF長田叶羽は、中央大に進学した。開幕から先発を勝ち取ると、第2節と第3節はフル出場を果たすなど、中盤のバランサーとしてすでに欠かすことのできない戦力になっている。
「1月下旬くらいからこっちに来て練習に入らせてもらっている。早めに来た分、慣れる時間があった。監督やスタッフに信頼してもらって使ってもらえるのは嬉しいです」
世代別代表で主将を務めた実績を持つ長田には複数の強豪大から誘いがあったが、「大学に行くなら関東を選びたいと。その中で自分のプレースタイル的に合った中大を選びました」。
高卒でのトップ昇格は叶わなかったが、「実力的にもプロに上がってすぐに出れるって感じではなかった」と現状の実力もしっかりと把握している。
そして「(大学では)自分の強度を上げていかないと通用しない。技術の部分では積み上げてきたものが通用することが多いけど、もっと伸ばしながら強度の部分を伸ばしていきたい」と意欲的に話す。


昨年のクラセン優勝後にU-18日本代表に初選出されたMF天野悠斗は、日本体育大に進学した。8年ぶりに関東1部に復帰したチームで、明治大との開幕戦に途中出場して大学Lデビュー。第3節の筑波大戦では初の先発出場を経験した。
福岡県出身の天野は、県トレセンの九州大会でMVPを取ったことでG大阪にスカウトされた。「最初は九州に残ろうと思っていた」という天野だが、関西の強豪クラブからの誘いに胸を躍らせた。
高3シーズンの直前に腰椎分離症を患ったことで進路もなかなか決められなかったが、日体大には自ら連絡して練習に参加。「去年の4年生に(ユースの先輩の)菅野隆星くんがいて、10番をつけて活躍しているイメージがあった。自分もここで10番をつけられるようになって、中心的な選手になりたいと思って進学を決めました」。
好調なスタートを決めた大学生活だが、フィジカルを鍛えることでより存在感を出していきたいと意気込む。「1年目だからとかではなく、自分らしさを出して結果で貢献したい。そこにチームとしてもいい状況になれたらいいなと思っています」。


CBや右SBで存在感をみせていたDF松井イライジャ博登は、東京国際大に進学した。日本人の父親と、ジャマイカ系イギリス人の母親の間に生まれた選手で、中学までを愛知県で過ごし、高校でG大阪ユースに進んだ。
大学では第2節の日本体育大戦でメンバー入りして先発出場。いきなりフル出場でデビューを飾ると、第3節の桐蔭横浜大戦でも右SBで先発して、今季初勝利に貢献した。
デビュー戦となった前節の日体大戦では、天野が途中出場したことでピッチで対峙した。天野が右ハーフに入ったことで直接的なマッチアップとはならなかったが、「あいつが俺にビビったんじゃないですか。ウソです、ウソです」と笑いに変えるほど、充実の時間を過ごした。
ユース時代の仲間たちとは、これからもお互いに切磋琢磨していきたいという。「燃えるっすよね。トワとかユウトが出ていると自分も負けてられないなという気持ちになる」と意識を十分にすると、「SBのほうが守備が難しいと思っていて、SBができればCBもできるんじゃないかと思っている。それに攻撃は好きなので、もっと行けるようになりたい」と大学リーグでの更なる飛躍を誓った。
なお、関東リーグだけでなく、関西学生リーグ1部に進んだG大阪ユースの選手たちも、続々と大学リーグデビューを飾っている。京都産業大に進んだMF大倉慎平は、開幕から3戦連続で先発出場。大阪体育大に進学したMF矢田幸紀斗は、第3節の大阪学院大戦に先発出場した。関西大に進学した主将DF古河幹太も、第3節でベンチ入り。デビューが期待される。
(取材・文 児玉幸洋)
●第99回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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