[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.3 関東大学L1部第5節 日本大3-2桐蔭横浜大 AGFフィールド]
開幕4戦12得点と好調だった攻撃陣が、この日も勝利をもたらした。開始2分にFW長谷川皓哉(4年=明秀日立高)が得点して先制した日本大は、同20分にもMF関日向多(3年=JFAアカデミー福島U-18)のゴールによって点差を広げる。
そして後半12分には、左サイドでボールを受けたMF植木颯(4年=日大藤沢高)が、エリア内に入ったところで左足を一閃。主将に待望の今季初ゴールが生まれた日大は、打ち合いを3-2で制し、3連勝で順位を2位に上げた。
「今年まだ点を決めていなかったので、得点がほしいと思っていた。(チームとしては)前に前にというアグレッシブなサッカーを体現できている。でも点を取れているのはいいけど、失点も多いのでまだまだ課題はあるかなと思います」
好調な攻撃陣に支えられる開幕ダッシュだが、一方で守備では5試合で9失点。ここまで無失点ゲームはないという状況で、1年早く大学サッカーを切り上げてプロ入りしたGK木村凌也(横浜FM)の穴を感じさせる結果になってしまっている。
これについては植木も「課題」としてしっかりと受け止める。「キムがいなくなって苦しくないと言えば嘘になるけど、抜けたからと言ってチームが止まるわけじゃない。今はドゥーリー(大河)が出ていますけど、そこはみんなでカバーしていきたい」と早期の改善を誓った。
勝負の大学最終学年を迎えている植木だが、昨年末の大学選手権(インカレ)で鎖骨を骨折。オフシーズンはリハビリに費やしたため、Jクラブの練習参加や選抜活動への参加が見送られた。ただ昨年も2度練習参加した浦和レッズに、今年4月にも練習参加。貴重な経験を積んでいる。
「練習参加させてもらって、まだまだのところはあったけど、通用する部分も見えた。そこは自信になりました。選手とは深い話をしたわけではないけど、将来のことを考えた方がいいよとか、相談に乗ってくれました。今年はプロに入ってから活躍することを意識しながら1年間を過ごしたいです」
ずっと目標している選手がいる。日大藤沢高で2学年先輩だったMF植村洋斗(現磐田)は、「一緒にやった選手の中では一番上手い。今でもどんなに相手に上手い選手がいても、あの人の方がと思える存在」だという。ただ憧れてばかりもいられない。「高校の時は手の届かない存在だったけど、追いついて追い越さないといけないと思っています」。
主将としてチームにタイトルをもたらすことで自身の存在価値も示す。6日の次節は、首位の筑波大との天王山。勝てば首位に浮上する序盤の大一番になる。「直接対決でしっかりと勝って、筑波を離したい」。そして今年は全国の戦いでも結果を残したい。「全国大会は雰囲気だったり、相手の対応も違ったので、そこにしっかりと対応できるようなチーム作りが大事かなと思います」。注目ボランチを擁する日大が、今季の大学サッカーを面白くする。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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