[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.13 国体少年男子2回戦 佐賀県 4-0 福島県 吹上浜海浜公園運動広場]
小さなキャプテンが声で、プレーで佐賀県を引っ張った。MF東口藍太郎(サガン鳥栖U-18、1年)はこの日、「それをやるのがキャプテンの役目」とチームを鼓舞。一際声を発し、走り、球際のバトルで身体を張った。
対戦した福島県は球際の強度の高いチーム。だが、158cmのMFは怯まずに戦い、瞬間的な鋭い動き、運動量で対抗する。前半はシャドーの位置で味方を活用してクロスに繋げ、ドリブルでの仕掛けも。後半22分には右サイドを一気に抜け出し、MF水巻時飛(鳥栖U-18、1年)のゴールをアシストした。
佐賀県の末藤崇成監督(サガン鳥栖U-18)は東口のメンタリティーや立ち振舞を称賛する。そして、この日思うように行かない前半も含めてチームのために走り、背中で引っ張った東口をマン・オブ・ザ・マッチに推した。
東口は「自分が先頭を切って、走って、そういうプレーを。背中で引っ張るじゃないですけれども、そういうところは自分の役割かなと思っています」と言い切る。副主将のCB黒木雄也(鳥栖U-18、1年)が、欠場中。黒木の分もチームのために戦い、勝たせる意気込みだ。
身長はチームで唯一の150cm台。「(身長のことは)気にしてはいるんですけれども、世界にもそういう選手はいますし、自分が先頭を切って、小さい人たちの希望じゃないですけれども、プレーのお手本にもなれたら良いなと思っています。走る、運動量、戦う、球際は負けたくないというのがあったので、それを試せる相手だったので福島さんには本当に感謝しています」。本人が「普通にやれます」と言うように、小さくてもやれることをこの日もピッチ上で示した。
「結構好きな選手は、(元オランダ代表の)ダービッツ選手。熱い人なので好きですし、身近な選手では(鳥栖U-18の先輩DF)北島郁哉選手が寮でもメンタルのところとかで教わっていますし、(佐賀トップチームのFW)楢原(慶輝)選手は走るところで圧倒的なので身近な選手として尊敬しています」。目標とする先輩たちから学んだことを表現。国体で佐賀県の勝利に貢献し、自分の飛躍にも繋げる。
「自分はプレミア(リーグで)スタメンということを目標にやっていたんですけれども、上手く勝ち取れずにこっちに来ていると思っているので、国体を機に自分としても成長して、代表とか考えながら、まずは自分のチームでスタメンを取れるように頑張りたいと思います」。準々決勝の対戦相手は同じ宿舎の大阪府。「勝ちたい」という思いをぶつけて、佐賀県を初の準決勝へ導く。
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」特集
Source: 大学高校サッカー
コメント