Jリーグは27日、理事会を行い、21歳以下の選手を主な対象とする新大会「U-21 Jリーグ」(仮称)の創設を決議した。シーズン移行が行われる2026-27シーズンから開始。東西2リーグ制で浦和レッズ、FC東京、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、清水エスパルス、ジュビロ磐田、名古屋グランパス、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、ファジアーノ岡山、V・ファーレン長崎が参加することが決まった。
この新大会はJリーグで出場機会を得にくい高校卒業後のポストユース世代(19歳～21歳)に試合経験を積ませ、強化・育成につなげることを目的としたもの。これまでサテライトリーグ(1992〜2009年、16〜17年)、エリートリーグ(21〜22年)など同様の大会が打ち切られる流れが続いていたが、今回はより真剣勝負に近い環境・編成を用意する方向性で参加クラブを募り、合意した11チームによる新リーグ発足に至った。
大会方式は東西2リーグ制で、同リーグクラブとのホーム&アウェー戦、他リーグとのワンマッチ(ホームorアウェー)で行われる。各チーム14〜15試合に加え、上位勢は順位決定のプレーオフが組まれる。参加チームには今後4シーズンの参加確約を取っており、新規参入は3年目の28-29シーズン以降に門戸が開かれる。
参加11クラブは初年度が開幕する26年夏に向け、U-21チームの編成をスタートさせる。新リーグではコアメンバーを構成するU-21世代の選手(26年は2005年1月1日以降に生まれた選手)に加え、オーバーエイジ(OA)選手の起用が認可される。将来的には「U-23のOA選手3人まで+年齢制限のないOA選手3人まで」を目指す方針だが、当面は緩和期間が設定され、初年度は以下のような基準となる。
■26-27シーズンのOA枠
推奨基準:U-24のOA選手4人まで+年齢制限のないOA3人まで
必須基準:U-24のOA選手4人まで+年齢制限のないOA6人まで(※推奨基準を満たさないチームはU-21選手の4人先発が義務)
試合のエントリー上限は18人(交代上限7人)。そのため登録枠をフルに活用するには、必須基準のOA選手合計10人を差し引いても、U-21選手8人を登録することになる。ところが現状の参加クラブを見ると、来季プロのU-21選手を8人以上抱えることが決まっているチームは一つもなく(以下に記載)、編成方針を大きく変えることになるとみられる。
そのなかではアカデミー選手も含めた高卒選手の積極的な獲得や、大学入学直後の早期内定が推し進められることが見込まれ、より試合数が多く、真剣勝負の環境も整備されている大学サッカーへの影響が懸念される。またアカデミー選手の補充も積極的に行われるとみられ、プロレベルのプレー水準の担保や高円宮杯プレミアリーグやプリンスリーグとの優先順位が課題になりそうだ。
Jリーグによると、今後はU-21リーグの一部上位チームがJ3リーグに参加できるという接続案も検討している。JリーグU-22選抜や、G大阪、C大阪、FC東京のU-23チームがJ3に参加していた頃とは異なり、現在はJ3リーグのクラブ数は20に達しているなか、接続案が実現した場合は大会方式にも手が加えられるとみられる。
■U-21リーグ参加クラブの現所属U-21選手(26-27シーズンを想定)
▼浦和
MF早川隼平(19=浦和ユース出身)
FW照内利和(18=浦和ユース出身)
▼FC東京
GK小林将天(19=FC東京U-18出身)
GK後藤亘(19=FC東京U-18出身)
DFペク・インファン(19=韓国・チョナンジェイル高出身)
MF北原槙(15=FC東京U-18、※2種)
FW山口太陽(18=FC東京U-18出身)
DF永野修都(19=FC東京U-18出身、J3鳥取に移籍中)
MF佐藤龍之介(18=FC東京U-18出身、J1岡山に移籍中)
▼東京V
GK中村圭佑(20=静岡学園高出身)
MF山本丈偉(19=東京Vユース出身)
MF川村楽人(19=東京Vユース出身)
FW白井亮丞(20=東京Vユース出身)
▼川崎F
GKイ・クンヒョン(19=韓国・輔仁高出身)
DF野田裕人(19=静岡学園高出身)
DF土屋櫂大(19=川崎F U-18出身)
MF大関友翔(20=川崎F U-18出身)
FW神田奏真(19=静岡学園高出身)
MF由井航太(19=川崎F U-18出身、J3福島に移籍中)
▼清水
GK佐々木智太郎(18=昌平高出身)
MF土居佑至(18=清水ユース、※2種)
MF嶋本悠大(18=大津高出身)
MF小竹知恩(19=清水ユース出身)
MF西原源樹(18=清水ユース出身)
FW郡司璃来(19=市立船橋高出身)
FW安藤阿雄依(20=清水ユース出身、JFL沖縄に移籍中)
▼磐田
DF朴勢己(20=東邦高出身)
MF川合徳孟(18=磐田U-18出身)
▼名古屋
GKピサノアレックス幸冬堀尾(19=名古屋U-18出身)
MF鈴木陽人(20=名古屋U-18出身)
MF杉浦駿吾(19=名古屋U-18出身)
▼G大阪
GK張奥林(20=G大阪ユース出身)
GK荒木琉偉(17=G大阪ユース、※2種)
MF名和田我空(18=神村学園高出身)
▼神戸
GKウボング・リチャード・マンデー(19=福知山成美高出身)
MF濱崎健斗(17=神戸U-18、※2種)
FW橋本陸斗(20=東京Vユース出身)
DF山田海斗(18=神戸U-18出身、タコマ・ディファイアンスに移籍中)
DF本間ジャスティン(19=神戸U-18出身、J3松本に移籍中)
▼岡山
DF千田遼(17=岡山U-18、※2種)
FW末宗寛士郎(17=岡山U-18、※2種)
DF藤井葉大(19=飯塚高出身、J3讃岐に移籍中)
MF佐藤龍之介(18=FC東京U-18出身、J1・FC東京から移籍中)
▼長崎
DF田所莉旺(19=帝京高出身)
MF西村蓮音(19=長崎U-18出身)
FW七牟禮蒼杜(19=長崎U-18出身)
(取材・文 竹内達也)
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Source: 国内リーグ
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