[6.5 アミノ関東1回戦 上武大 2-3 東京学芸大 尚美学園大G]
MF半田祥真(3年=静岡学園高)は結果にこだわる意識を高めて臨んだ今季、東京学芸大で数字も存在感もエースに値する活躍を見せている。
東京学芸大は東京・神奈川1部を戦った昨年、昇格争いを繰り広げる中で9月に岩政大樹氏がコーチに就任。現役時代はJリーグ屈指のセンターバックとして活躍し、引退後は鹿島アントラーズなどで指揮を執ったレジェンドOBが学生時代以来となるおよそ20年ぶりに帰還した。
「岩政さんが来てからすごくチームでやることが明確になった部分がありました」と半田。チームは勢いそのまま11月の関東大学リーグ参入戦で1位通過を果たし、高校時代のボランチからシャドーへとポジションを移した半田も最終戦で3部昇格を導く決勝点の活躍を見せた。
そうして3部に昇格した今季、岩政コーチは北海道コンサドーレ札幌の監督に就任したためチームを離れたが、半田は昨年に自ら訊ねて受けた金言を胸に戦っているという。
「自分がこれからサッカーでもっと上にいくために必要なところとして、自分から聞きにいったんですけど、『やっぱりアタッカーだから点を取るとかアシストする。結果として目に見えるものは絶対求められるもの』と、そこを言われました」
「今シーズンはそこを強く意識」と決意を新たにした半田は、ここまでリーグ戦11試合5得点の活躍。2試合連続ゴール中で3連勝中のチームに大きく貢献している。「結果は徐々に出てきているのかなと思います」と手応えを口にするとともに、「やってきたことの練度が上がって、それができてきた結果の3連勝」と東京学芸大としても上向きな状態であることを示した。
5日からは総理大臣杯予選のアミノバイタルカップがスタート。1回戦は北関東リーグの上武大との対戦となり、後半ラストプレーで同点弾を許すなど苦しい試合となったが、延長戦を3-2で制して次のラウンドに駒を進めた。
そうした試合で半田は「とにかく相手の嫌な位置に立って、自分がボールを受けて展開したり仕掛けられたりする、ゲームを変えられるポジション」を意識。至るところに顔を出して攻撃を牽引し、圧倒的な存在感を放った。
前半44分にはペナルティエリア手前で右サイドからの横パスを受けると、「絶対相手が喰いついてくるのは分かっていた」と浮かせて前に押し出すトラップで華麗に突破。そのまま放ったボレーシュートはカバーに入ったDFに防がれたものの、「元々ボランチだったんですけど、ああいう臨機応変さは静学(静岡学園高)のときからやっていたのが大学で良い形で攻撃の方に持っていけている」と高い技術を示した。
さらに1-1で迎えた後半30分には、ゴール前でマークにつく相手DFの背後に入ると、右からのクロスボールにジャンピングヘッドで反応。「ちゃんと準備して、しっかりポジション争いを獲ってしっかり合わせた」と勝ち越し点を決めた。相手が勢いづいてきた時間帯でもあったため「冷静にやっていかないとと思った」と得点の瞬間は控えめに喜んだが、エースの矜持を示す公式戦3試合連続ゴールになった。
半田がさらなる飛躍を目指しながら見据えるのはプロ入りだ。「そういった意味でこの大会はひとつのキーポイントになると思う」と話し、3回戦からは1部や2部勢との対戦が実現するアミノバイタルカップでの活躍を意識。「10番ですし3年ですし、自分がどう勝利に持っていくかというのをやっていかないといけない気持ちはすごいある」と責任感を示しながら、キープ力や相手の逆をつくプレーを武器に「自分のプレーを出して結果も出すところを強く求めてやっていきたい」と意気込んだ。
(取材・文 加藤直岐)
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Source: 大学高校サッカー
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