[6.29 関東CY決勝 FC LAVIDA 0-0(PK4-3) 東京V Jrユース くぬぎ平]
FC LAVIDAの主将FWオツコロ海桜(3年)が代表活動を経て逞しさを増し、怪我の影響で出場機会が限られた関東クラブユースサッカー選⼿権(U-15)⼤会でも存在感を発揮して3連覇に貢献した。
オツコロは5月、追加招集としてU-15日本代表のクロアチア遠征に参加。初戦のU-15ポルトガル代表戦(●1-4)でデビューを飾ると3戦目のU-15ギリシャ代表戦(○6-3)では代表初ゴールも奪った。ゴール前で相手に競り勝つなど強みが通用したことの収穫、高身長のDFと対峙する上での課題、慣れない異国生活への適応に関する学びなど、多くのことを持ち帰る充実の活動になった。
その上で日常の取り組みの重要性を再認識したといい、FC LAVIDAに復帰してからの高い意識は村松明人監督も認めるところ。「やっぱりこのチームで全国優勝するのが目標なので」と理由を語るオツコロは、チームメイトの意識も高める好影響をもたらしているようだ。
「海桜自身も帰ってすぐ変化が見られた。求められているものが多くあって、それに取り組む姿勢はすごく良くなりました。ここ2試合を見てもしっかりと足りない部分に向き合ってやってくれているなと。周りもチャンスというか、『自分も』というのは意識的にはあると思うので、そこで変わっていった選手は多いと思います」(村松監督)
また、今回臨んだ代表活動はオツコロにとって、競技こそ違えど父に続くものでもあった。父は元ラグビー日本代表選手で、現在は日本製鉄釜石シーウェイブスでアシスタントコーチを務めるオツコロ・カトニ氏。オツコロは父の現役時代について「ディフェンスなんですけどボールを持ったらどんどんゴール(インゴールエリア)に向かっていく。体の強さを活かしてどんどんいくのでかっこいいなと思っていました」と懐かしむ。
そうしたプレーは力強い突破からゴールを狙っていく息子にも重なる。オツコロは「体の入れ方とかはお父さんとよくトレーニングしたりして教わったりしています」と明かし、「お父さんは代表を知っているので日々厳しいことを言ってくれるんですけど、やっぱり厳しいことを言ってくれるおかげで日本代表に選ばれたのかなと思っていて、お父さんに感謝しています」と感慨深げに語った。
関東CYは代表活動後に負った疲労骨折の影響により、先発出場したのは準決勝と決勝の2試合のみ。それでも準決勝では逆転ゴールを含む2ゴールの活躍を見せ、決勝ではPK戦でGKに触れられながらもキックを成功させてチームの3連覇に貢献した。


オツコロは「怪我をしてしまってチームの足を引っ張ってしまったり、キャプテンとしてみんなを引っ張れなかったのはちょっと悔いが残っています」と率直な思いを述べつつ、「自分だけでは作れないチームなので」と仲間に感謝。主将としてシャーレを掲げたことに「本当に嬉しくて、3連覇はLAVIDAにしかできないことだったのでみんなに感謝しています」と喜びを示した。
不完全燃焼気味の思いは、8月の全国大会でぶつけるつもりだ。オツコロは「ヴェルディも本当に強くてなかなか点までいけるところが少なかった」と0-0でPK戦に突入した決勝を振り返りながら、「点を決めないと流れを持ってくるのが難しくなっちゃうので、やっぱり早いうちに点を決めて流れを持っていけるように日々の練習を大事に頑張っていきたい」と決意。「全国では自分の持ち味を活かしてこのチームを優勝に導けるように頑張っていきたい」と力を込めた。
(取材・文 加藤直岐)
Source: 大学高校サッカー
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