Jリーグからの連戦負荷を踏まえた個別調整を経て、最終決戦に照準を合わせてきた。日本代表DF古賀太陽(柏)は15日のEAFF E-1選手権最終戦・韓国戦に向け、2日間連続で全体練習に完全合流。連覇がかかる日韓戦に向けて「自分たちの力をしっかり示せるような試合にしたい」と力強く意気込んだ。
古賀は初戦の香港戦(◯6-1)にフル出場した後、第2戦・中国戦までの準備期間は足の疲労感があるとして個別調整。それでも韓国戦に向けた全体練習ではフルメニューを消化しており、「全然問題ない。やっていて違和感は感じないし、逆に休息をもらったぶん身体が動く。コンディションは良い」と準備万端だ。
古賀の強みは両利きを活かしたビルドアップ。初戦の香港戦では相手が自陣に守備ブロックを敷いてきたなか、攻撃の強みを出せる場面は限定的だったが、次に戦う韓国は勝利が必要な状況でハイプレスに出てくるとみられ、ストロングポイントを発揮できる戦いになりそうだ。
「1戦目、2戦目よりも強度が上がるし、相手も勝たなきゃいけない試合で、相手のプレッシャーの掛け方がどう来るかというところはピッチに立った瞬間に相手を見ながら判断しなきゃいけないけど、どれだけ相手のプレッシャーを剥がしながら、ひっくり返しながら攻められるかというところが次はすごく大事なるんじゃないかと思う」
香港戦ではブロックを敷いてきた相手を横に揺さぶりたい局面でも、日本代表のコンセプトに合った縦展開を志向するジレンマを感じさせた場面もあったが、相手が前から出てくるのであれば縦展開は刺さりやすくなる。
「来る相手にはしっかり後方から剥がしてというのはA代表のコンセプトだと思うし、そこは90分間通して表現し続けたい。簡単じゃないとは思うし、球際も来るとは思うので、そこでうまく優位性を保ちながらやるというところは大事にしたい」。そう展開を見据えた古賀は「ポジショニングで優位性を保つところは一緒に組む選手、周りの選手との関係性でうまくやっていきたいし、ビルドアップからハーフウェーラインを越えてという作業は自分が中心になってやっていけるようにしたい」と個人のアピールにも意気込んだ。
古賀がA代表に初めて招集された2019年のE-1選手権では日韓戦の出番がなく、今回はそれ以来6年ぶりの日本代表招集。Jリーグで積み上げてきた対人守備の成長もアピールしたいところだ。
日本は引き分け以上で優勝が決まることもあり、無失点は大きなミッション。「6年前からの違いは見せないといけないし、相手が勝ちたいぶん前がかりに来ると思うので、後ろがゼロで抑え続けられればおのずとチャンスは来ると思っているので、後ろ3枚中心になってゼロに抑え続けるところはこだわってやっていきたい」と力を込める。
残り1年を切った北中米ワールドカップへの生き残りのためにも、前回大会でDF谷口彰悟が見せたような攻守にハイレベルの貢献が求められる一戦。「次も選び続けたいと思われるパフォーマンスをしないといけないと思っているので、優勝がかかっている試合で自分のパフォーマンスを最大限引き出せるかというところは自分自身、高いものを求めてやっていきたい」。今季のJリーグ同様、周囲より一段階上のプレーを自身に求めていく構えだ。
中国戦の試合後には、大会後に上位対決を控える鹿島のGK早川友基(鹿島)が古賀に「無理して出ていいよ」と冗談まじりに声をかけたことを明かしていたが、一方の古賀は一つひとつの試合に向き合いながら、E-1選手権とJ1リーグ戦の“両取り”を見据えている。
まずはE-1選手権でのタイトルから。「コンディションは全然問題ないので、帰ってからのリーグとか控えているものはあるけど、今はこのチームでの明日の試合に集中している。自分に出番があればそこで100%の力を出せるような準備をしていきたい」。だが、その先にあるJ1上位対決にも「アクシデントなく試合にコンスタントに出続けられるのも自分の良さ。連戦を感じさせないパフォーマンスを自分に求めてやっていきたい」と言い切った。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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