全日本大学連盟(JUFA)は29日、総理大臣杯の不参加を決定していた北海道教育大岩見沢校の出場を一転して認めると発表した。同校が日本サッカー協会(JFA)の不服申立委員会に行っていた不服申立が受理された。
JUFAは28日に行った総理大臣杯の開幕に先駆けた会見で、北海道教育大岩見沢校がエントリー資格を満たさなかったとして、不参加を決定したことを発表。1回戦の対戦相手である鹿屋体育大の不戦勝で準備を進めていくとした。
ただ翌日にJFAの不服申立委員会が開かれ、北海道教育大岩見沢校の不服申立を受理し、JUFAの決定を無効とすることを決定。JUFAには11時20分に正式な通知があり、同日夜に招集された臨時理事会で確認したという。
なぜ1日で決定が覆ったのか。中野雄二理事長も「連盟の判断を無効とする判断をしたと通知が来たが、理由は後日となっている。どういう理由かはわかっていない」と困惑した様子で話した。
■不参加の決定
北海道教育大岩見沢校の不出場は、エントリー期限までに必要な書類が提出されなかったために決定した。必要書類はメールでの送付が可能なものはあるが、監督のサインが必須の一部書類は、郵送での提出が義務付けられていた。
そもそも各校への資料の送付は6月28日にされていたという。北海道地区は出場枠が一つで地区予選の決勝が一番遅い7月23日となっていたが、出場の可能性のあるチームは事前に提出することも推奨されていたようだ。
また7月24日に組み合わせ抽選会が行われることに伴い、同20日に本戦出場の可能性のあるチームには、その旨の通知とともに、書類の提出期限のリマインドをメールにて実施。注意喚起を行ってきた。
そして北海道教育大岩見沢校の書類は25日に北海道から速達で出されたというが、エントリー期限の26日18時、さらには通常業務の26日19時まで職員3名がいたJUFAの事務所に郵送物が届くことはなかった。
エントリー遅れの厳格化について、JUFAは19年より話し合いを進めてきた。それまでエントリーの遅れや参加費の支払い遅れが頻発しており、頭を悩ませていたという。中野理事長はこれまで「(該当チームには)直前で3名認めてきた追加登録をさせない対応をしてきた」というが、効果は薄かったようで、「私たちは教育の場にいる。日ごろから学生にはそういう指導をしている。理事会は懲罰機関ではないが、きっちりしていこうとなった」と説明した。
また今回の問題について、会見に同席した櫻井友理事は理事にいる弁護士とも話し合ったうえでの決定だったことを明かす。そのうえで、決定は「懲罰ではない」ことを確認。「決められた期限を守られなかった。だから出場は認めないよねという決定をした。懲罰ではないということで、不服申立もできないという考えだった。正直この(JFAの)決定には驚いている。当然、この決定はしっかりと重く受け止めないといけない」と言葉を選ぶようにして話した。
JFAからの通知があったことで、今後は北海道教育大岩見沢校の総理大臣杯出場を認めることで話を進めていく。不出場決定発表の翌日にJFAから通知があったことについて、「まったく予測していなかった」と話した中野理事長は、「(1回戦で)対戦する予定の鹿屋体育大には、不利益を被っている部分があれば対応すると確認した」と協力を約束した。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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