CBが緊急事態に見舞われる中で迎えた日本代表のアメリカ遠征、主力としての期待が高まるDF瀬古歩夢(ル・アーブル)は力強く言い切った。「今までと気持ちは変わらない。W杯まで1年を切っているし、ただただ自分がこのサバイバルに残るためにチームのためにしっかり働ければいい」。ポジション争いのライバルや対戦相手の動向よりも、まずは自らの実力を発揮することに集中していく構えだ。
現地時間6日の国際親善試合メキシコ戦に向け、カリフォルニア州バークリーで調整が続く日本代表。居残り練習では連日、瀬古が左CBに入り、渡辺剛、板倉滉と3バックの連係確認をする姿が見られ、先発起用が確実とみられる。
この3人が同時に先発となれば初めての組み合わせとなるだけでなく、うち2人が共演したのも板倉と瀬古が並んだ昨年11月の中国戦(◯4-1)だけという急造布陣。それでも瀬古は「このチームは誰が出てもいいサッカーができるので問題ない。練習でしっかりコミュニケーションを取ってすり合わせていけばいいし、問題なくやれている」と力説する。
また急造布陣に戸惑っている時間はない。森保ジャパンのCB陣は現在、盤石とみられた冨安健洋と伊藤洋輝が長期の負傷離脱を強いられており、谷口彰悟もアキレス腱断裂の大けがからの復帰途中。8月には町田浩樹も左ひざ前十字靭帯断裂の大けがを負い、W杯に間に合うかどうかの瀬戸際に立っているなか、現有戦力で戦っていくしかない状況にある。
その筆頭候補が第2次森保ジャパンで日本代表に食い込み、昨年10月から定着を果たした瀬古だ。W杯最終予選では4試合の出場経験を重ね、今回のアメリカ遠征でも堂々のメンバー入り。今夏はフランスのル・アーブルに完全移籍したことで、今回のCB陣では唯一の5大リーグ勢となっており、立場的にも安定感を増していくことが求められる。
瀬古は念願の欧州5大リーグ挑戦に「楽しいです」と率直な心境を吐露。「レベルが上がったのもそうだし、自分自身成長したかったから行ったというのが第一前提。その中で楽しんでやれているのが良いと思う」。充実した場所に身を置くことで、「身体能力もそうだし、一人一人のクオリティーが上がったと思う」というレベルの高い対戦相手と対峙しつつ、成長しながら序列を高めていくつもりだ。
瀬古は第2次森保ジャパン初陣シリーズだったウルグアイ戦、コロンビア戦にも出場しており、強豪国相手のイメージも万全。「もちろんボールを持たれる展開はアジア予選と比べて増えると思うけど、その中で自分たちがゼロで抑えることができれば自信になる。そこはディフェンス陣で意識してやっていきたい」と活躍を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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