[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国スポ少年男子の部2回戦 広島県 0-0(PK2-4)愛知県 ビックレイクC]
187cmの大型守護神が愛知県を2013年大会以来となるベスト8進出へ導いた。愛知県は雨中で前回王者・広島県に押し込まれる時間帯が増え、シュート数は4-12。後半30分に退場者も出す難しい展開だった。
だが、GK岡野恭護(名古屋グランパスU-18/1年=アルコバレーノFC出身)は前半22分に枠を捉えてきたシュートを落ち着いて横っ飛びでセーブするなど、確実にシュートを処理していく。「試合中に止めるっていうのが本当に難しい中で、こういうピッチ状況もありますし、DF陣が身体投げ出してシュート本数を減らしてくれた中で、その打たれたシュートを止めるのが自分の役割なんで、そこをしっかり止めて、ゼロで抑えれたことは良かったかなと思います」と頷く。
そして、0-0で突入したPK戦で広島県のU-16日本代表GK枝川航大(広島ユース/1年)と勝負。互いに1人目が決めて迎えた2人目、岡野は右への力強い跳躍でシュートをストップ。雨中で「いつも以上にボールに向かっていくってことを意識して」止めた守護神は続く3人目も左への跳躍から連続セーブをしてのけた。
渡邉大起監督(名古屋市立山田高)は「本番に強い選手が多い」ことに驚いていたが、守護神はその力を特に表現して4-2で勝利。「チームのために自分が止めて絶対勝たすぞっていう気持ちが強くて。それで、2本目と3本目を自信持って止めることができて、率直に嬉しいです。自分も代表に関わっていくためには、PK戦であのGK(枝川)よりも自分がチームを勝たせて、それで自分の価値を証明する大事な舞台でもあったんで、そこで自分が止めれて嬉しいです」と微笑んだ。
「言い訳にはできない身長をしている」という岡野は、この試合で長身を活かしてもっと飛び出し、チームを楽にできたはずと分析。もっとやれることを増やさなければならないと考えている。それでも、この試合は難しいピッチコンディションの中でチームを鼓舞する声を70分間継続。そして、セービング力、勝負強さを発揮して、8強入りに貢献した。
岡野は目標にしているGKがいないのだという。「自分、目標にしているGKはいなくて。誰かを目指すんじゃなくて、自分がその目の前のライバル視しているキーパーとかを超えていって、それで最終的に自分が日本、世界で一番いいGKになれたらなと」。この日は目の前の代表GK枝川に勝利。ここから一戦一戦ライバルに勝ち続けてU-16世代で一番のGKになる。




(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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