[国体少年男子]広島県は3位決定戦で惜敗も“ベストゲーム”。思い表現したCB林詢大はサッカー、それ以外の面でも成長して「応援される選手に」

広島県CB林詢大(広島ユース、1年)は3位決定戦勝利への強い思いを表現した
[10.16 国体少年男子3位決定戦 東京都 2-1 広島県 OSAKO YUYA stadium]

 広島県の甲田大二監督(広島工高)は1-2で惜敗した3位決定戦後、「5試合で一番広島らしさを出してくれた。みんなが同じ矢印で攻撃も、守備もやってくれたと思います。一番良いゲームができた。頑張ってくれました」と頷いていた。

 前日の準決勝は、風下の前半から受け身となり大阪府に0-5で完敗。だが、この日は風上を選択した前半から相手をプッシュした。前向きにボールを繋ぎ、中央、サイドから崩しにチャレンジ。また、ラインを上げて前からボールを奪い返し、MF小林志紋(広島ユース、1年)のシュートへ結びつけるなど前半だけでシュート9本を打ち込んだ。

 前半29分には、MF長村星波(瀬戸内高、2年)のスルーパスの流れから連続攻撃。最後はMF宗田椛生(広島ユース、1年)の左クロスをファーのMF土井川遥人(広島ユース、1年)が頭で折り返し、これをFW上岡士恩(瀬戸内高、2年)がダイビングヘッドで決めた。

 また、DFラインでは「昨日5失点してしまって、自分にも凄く責任を感じていましたし、ここで3位、4位では全然違うので、3位で帰りたかったという気持ちはこのメンバーで一番強かったと思うし、それがプレーで上手く出たと思う」というCB林詢大(広島ユース、1年)が相手のラストパスに対して身体を投げ出して阻止。1-0で前半を折り返した。

 林は「昨日、負けてしまって自分たちの気持ち的にも優勝がなくなったということで難しい部分があったんですけれども、自分たちの良さである明るいところ、チーム全体で切り替えるところが出て、東京戦に100パーセントでしっかり迎えることができて、自分たちとしてもこの5試合で一番良い入りができたと思うし、しかも先制もできた」と振り返る。

 だが、後半4分、8分にセットプレーから失点。林は「良かった試合なんですけれども、気持ちの緩さが出た部分があったと思います」と残念がる。5連戦の5試合目だったが、気力を振り絞って反撃。だが、東京都の堅守をこじ開けることはできなかった。
 
 結果は4位に終わったが、甲田監督は「(このメンバーでの最終戦で)勇気を持って自分たちの課題にトライしていた。本当に成長したと思います」と評価。選手たちは国体で感じたことを所属チームに持ち帰る。

 林は今回の国体で予測力や相手FWを潰し切る力、またリーダーシップを発揮。指揮官も成長を認めたDFは、「この5試合を通して、自分の前に行く強さやリーダーシップを取ってチームを引っ張る部分は自分の中でも自信を持った部分がありますし、全国に出ても通用する部分がありました」と振り返る。

 一方で、「今日もそうですけれども、代表のCBと比べるとスキルの部分もそうですけれども、一人のCBとしてまだまだ負けていると感じました。サンフレのユースに入ったので、良い選手がいっぱいいるので、日頃の練習から自分からチャレンジして、もっと成長して、今3年生の試合に絡めていないので、上の学年にどんどん絡んで公式戦も結果を残せるように頑張りたいです。サッカーはもちろん、サッカー以外のところもしっかりとできて、という色々な人に応援される選手になりたいです」と誓った。広島ユースでプロを目指しながら、人間的にもより成長して応援される選手になる。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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