[選手権]悔しさは必ず選手権で晴らす。興國の中盤で差を生み出した10番MF樺山文代志「もう、暴れるしかないです」

興國高のU-17日本代表MF樺山文代志(3年=RIP ACE SC出身)が選手権での活躍、日本一を誓った
[10.18 選手権大阪府予選準々決勝 大阪学院大高 0-1 興國高 ヤンマー]

「もう、暴れるしかないです」

 興國高のU-17日本代表MF樺山文代志(3年=RIP ACE SC出身)が選手権で大暴れすることを誓った。18日の選手権予選準々決勝では中盤で存在感のある動き。チームが正確にボールを動かす中、狭い局面を打開するパスを通してスタンドを沸かせ、大阪学院大高のキーマンであるMF小西理仁主将(3年)との激しい競り合いで強さを発揮した。

 そして、個の力でシュートを打ち込むシーンや一人でボールを取り切るシーンも。U17アジアカップ(4月)でU-17日本代表の攻守に中心的な役割をしていたボランチは、中盤で一つ違いを示していた。だが、本人に満足感はない。後半については「結構出せたと思うんですけど」という一方、それが1試合を通じて発揮できなかったからだ。

「前半、あの雰囲気だったりとか、あの舞台でやらないといけないっていうか。自分がアジアとか一番経験しているのに、その経験の違いを前半からまだまだ出せていないのは、まだまだ課題だなと思います」と厳しい。

「前半で足攣るぐらいの気持ちでもやるっていうのが今の課題で、そこに向き合いながら、この大阪で優勝していくっていうのはもう自分の目標です」

 この準々決勝前日の17日、U-17ワールドカップ(11月)に臨むU-17日本代表メンバーが発表された。樺山は6月のスペイン遠征まではU-17日本代表メンバー入りをしていたが、運動量などの課題もあってその後選出されることなく、世界には届かず。「昨日発表されて、まあ悔しいんですけど、それが今の自分の現状っていうか、実力とかかなって思って。あとはもう選手権しかないんで、もうやるしかないです」。U17アジアカップでは初戦から3試合連続で先発出場。U-17ワールドカップ出場権獲得に貢献したが、ミスして敗れたオーストラリア戦の悔しさは忘れていない。

「全国出て、アジアカップでのミスとかは、やっぱ代表のユニフォーム来てしか取り返せないと思っていたんですけど、選ばれなくて……。じゃあ、次ラストの選手権で、もう全国出て優勝するしかないと思っているんで、それをみんなに見て欲しいっていうか、成長したっていうのを色々な方に見せたいっていう気持ちでいっぱいです」

 連絡を取ることの多いというMF姫野誠(千葉U-18)らU-17ワールドカップメンバーには「『頑張れ』っていう気持ちです」とエール。仮に自分がU-17ワールドカップメンバーに選出されていれば、選手権予選の準決勝、決勝は出場できなかっただけに、ポジティブに切り替え、強い気持ちを持って選手権出場に向かって行くだけだ。

 U17アジアカップは「今後のサッカーにおいて間違いなくとてもいい経験」。その後、怪我もあったが、夏以降の状態は良く、スペイン遠征やスペインでの練習参加を経て、着実に成長できていることを実感している。

 この3年間で身につけてきた力を発揮し、2019年度の選手権で興國を初出場へ導いた兄・FW樺山諒乃介(現・北九州)に続く。「この選手権、もう大阪優勝するために、誰よりも自分が走ってチームを勝たせたいです。アジア入ってワールドカップメンバー外れたけど、やっぱ自分が頑張っているっていうのをとにかく見せたいです」。興國の選手層の厚さは全国でも上位。進路を含めて特に注目の10番がこの秋冬に躍動し、目標の選手権日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)


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Source: 大学高校サッカー

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