「同じくらいのレベルの相手に勝ち切れていない」森保J積年の課題に向き合う南野拓実、続く同僚対決に「うまく突いていければ」

MF南野拓実(モナコ)
 2018年9月の森保ジャパン発足以降、日本代表最多の69試合に出場し、同じく最多の25ゴールを重ねてきたMF南野拓実(モナコ)。北中米W杯に向けたテストマッチでも信頼の起用が続く中、チームが直面する課題を正面から受け止めながら、14日に控えるガーナ戦の位置付けを示した。

「(10月は)ブラジルに勝ったけど、パラグアイのような相手には勝ち切れていない。ガーナは同じくらいのレベルで良い試合になるだろうし、ブラジル戦とはまた違う試合展開になると思うので、しっかり勝ち切りたい」

 カタールW杯でドイツ戦(◯2-1)、スペイン戦(◯2-1)に勝利し、第2次体制でも23年9月のドイツ戦(◯4-1)、今年10月のブラジル戦(◯3-2)を制するなど、列強国相手の健闘が目立つ森保ジャパン。その一方、カタールW杯のコスタリカ戦(●0-1)やクロアチア戦(●1-1、PK1-4)を始め、W杯最終予選のサウジアラビア戦(△0-0)、オーストラリア戦(●0-1)、直近のメキシコ戦(△0-0)、アメリカ戦(●0-2)、パラグアイ戦(△2-2)など、張り合った相手に勝ち切れない試合が続いている点は見過ごせない点だ。

 北中米W杯では出場国が48か国に拡大し、日本はポット2でのグループリーグ参戦が見込まれる中、同格や格下の相手に勝ち点を落とさないのは必須要素。FIFAランキング73位のガーナ、同78位のボリビアと対戦する11月シリーズはそうした課題を乗り越えるための格好のテストとなりそうだ。

 同格レベルとの戦いについて南野は「相手がモチベーション高くやってきて、なおかつ割り切ったプレーでロングボールだったり、フィジカルを前面に出してくる相手に僕らはあまりうまく戦えていないところがある」と傾向を指摘。「ブラジルのような相手だと割り切ってブロックを作って、戦い方もわかりやすく共通理解を持てる」のに対し、「試合の中で拮抗したり、狙いがないロングボールでも放り込まれた時にやられている」という見立てだ。

 通常のテストマッチであれば内容で上回れば良しという見方もできるが、W杯本大会を7か月後に控えるなかでは「W杯でそういう相手と戦うかもしれないので、それ(相手のスタイル)は言い訳にならない」と南野。「自分たちのレベルと同じくらいの相手に対して勝ち切れていないのは少し問題だと思うので、ブラジル戦に勝った後にもう一度チームとして自分たちの強さと、今までやってきた積み上げを見せられれば」と課題克服を誓った。

 ガーナ戦への分析も進めている。「結構ロングボールを蹴ってくるし、彼らはフィジカルに自信がある選手が多い。W杯を見据えた上でいい相手になると思う」。これまでの日本が苦手としてきたタイプとあり、「ボーンマスの選手(FWアントワーヌ・セメニョ)とか、CBにも僕のチームメートがいてフィジカルが強い選手なので、デュエルのところでまずは負けないようにしたい」と意気込んだ。

 南野とモナコでチームメートなのは26歳のDFモハメド・サリス。3年前のカタールW杯にも出場した主力CBで、今回のメンバーにも選出されている。

 南野によるとサリスは「フィジカルに自信を持っていて、前に行くのがすごく強い選手。なおかつ左利きでFWにラフなボールを入れたり、スペースに行くのが上手い」という選手。その一方、細かいプレーを苦手にしているといい、「逆に彼を引き出して違う選手が裏を取るとかそういうところは今日の映像でも見たし、そこは自分の特徴でもあるのでうまく突いていければ」と狙いを明かした。

 そんな南野だが、9月のアメリカ戦ではFWフォラリン・バログン、10月のブラジル戦ではDFカイオ・エンヒキと、代表戦でチームメートと対戦するという機会が続いている。ブラジル戦後、チームに戻ってからはC・エンヒキと会話も交わしていたようで、次のようなエピソードを明かした。

「(C・エンヒキは)前半と後半で全然違うチームになったなという話をしていた。アンチェロッティがハーフタイムに『絶対このまま緩めるな』と言ったらしいけど、カイオが言うには『何人かの選手が勝ったやろって感じになってしまった』と。でも僕らはそこを突けるだろうと思っていた。試合後はアンチェロッティはめっちゃ怒ってたらしいです」

 まさにその逆転劇を牽引したのがキャプテンを務めた南野の存在だったわけだが、このシリーズでも同様にチームメートには負けたくないところ。「(チームメートと代表戦で再会できるのは)個人的には嬉しい。チームのロッカールームでそういう話にもなるし、だからこそ負けたくないですね」。普段は心強いチームメートを制し、W杯に向けて弾みをつける構えだ。

(取材・文 竹内達也)


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Source: サッカー日本代表

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