少しでも積み上げて、世界との戦いへ――。30日午前、U-17日本代表がU-17ワールドカップインドネシア2023(11月10日開幕)へ向けて千葉県市原市内で本格始動。ワールドカップメンバー21名とサポートメンバー5名が練習会場に現れ、集合写真撮影後に4対4+2や11対11のメニューを行った。
トレーニングでは森山佳郎監督から、「お互いに繋がりながら!」などの声が飛ぶ。2連覇を果たしたU-17アジアカップ同様、大会前の練習試合、本大会もメンバーを固定することなく、色々な組み合わせで戦う模様。それだけに、「パッと組んだヤツと関係性を構築して、すぐに自分らのコンビネーションができるように」と求められていた。
この午前練習では、U-17アジアカップで主将を務めたSB小杉啓太(湘南U-18)や、同大会MVP、得点王のFW名和田我空(神村学園高)、今月27日にベルギー名門ゲンク加入が発表されたMF吉永夢希(神村学園高)、アジア4発のFW道脇豊(熊本)らが参加した一方、3選手がコンディション面を考慮され、別メニューや練習のサポート。怪我から復帰したばかりの選手もいるが、初練習から全体的にスピード感があり、好プレーも随所で出るトレーニングとなっていた。
小杉は世界との真剣勝負がいよいよ近づいてきたことについて、「楽しみですね。アジアカップは連覇とか掛かっていてプレッシャーとかありましたけれども、ワールドカップは世界の相手とできるので、そこを楽しむだけかなと思っています」と微笑んだ。
10月25日のメンバー発表で森山監督は、「ファイナリストになる」「決勝に進んで最終日までプレーする。7試合を行う」ことを掲げていた。それに対して小杉は、「アジアカップの前から『7試合やろう』と常々仰っていてその自覚はありますし、もちろん簡単じゃないのは分かっていますけれども、一戦一戦を勝つというのを目標にしてやっているので、気負いすぎずやれば良いかなと思います」コメント。グループステージ初戦(11日)のポーランドからアルゼンチン、セネガルと強豪国との戦いが続くが、一戦一戦、力を積み上げながら勝ち上がっていく考えだ。
アジア王者に輝いたが、世界にはまだまだ上がいる。だからこそ、「初戦よりも2試合目、2試合目よりも3試合目と積み上がっていって、良い結果が出ればなと思っています」と小杉。先を見すぎることなく、激戦ブロックで成長を続けて目標に近づく。
ともに世界へ向かうチームメートと千葉で再会。小杉は「やっと始まるなと。みんな、チームのまとまりもありますし、自チームでみんなレベルアップしたり、プロ契約したり、そういう選手が多くなって帰ってきたので、良いチームになっていけるんじゃないかなと思います」と語る。
個人としては、短期間の負傷によって9月のフランス遠征を不参加。それでも、U-17ワールドカップへ向けてコンディション面を含めて準備を重ねてきた。「強豪国とやる中で攻撃の要をしっかりと潰して、止めて、日本が多くボールを持てるように守備とかで貢献しながらも、攻撃でもしっかり得点にも貢献できるSBとして活躍したいと思っています」。守備のキレやクロスボールの質、切り替えの速さなどはこの半年間で積み上げてきた部分。前回大会が開催された4年前、テレビで見ていたというU-17ワールドカップで自身も躍動する意気込みだ。
まずは準備に集中。「この日本でのキャンプ、現地でのキャンプ、短い期間ですけれども、まだまだ積み上げられることがあると思うので、2段階、3段階、今までのベースに上積みをして、良い結果を持ち帰れるように、一戦一戦頑張って行ければなと思っています」。国内での活動は31日まで。30日午後のトレーニング、31日の練習試合(対関東大学選抜)で少しでも積み上げて現地入りする。
(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
Source: サッカー日本代表
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