審判員の会話音声が生放送されるまでの道のりは遠いようだ。競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)の最高責任者が31日、『BBC』の番組で見解を示した。
世界中でVAR関連の判定が話題になっているなか、ファンや元選手からはラグビーなどのように会話音声の生放送を求める声が相次いでいる。IFABや国際サッカー連盟(FIFA)も将来的なトライアルの可能性を否定していなかったが、IFABのルーカス・ブルッドCEOは「断固としてノーと言う。そうすべきではない」とコメントした。
理由は「非常に混沌とした状況」だからだという。ルーカス氏は審判員間の音声をリアルタイムで聞いた際の体験から「同時に多くの人が話しているため(理解が難しく)、誰にとっても逆効果になる」と感じたという。実際、VARチェック中はVARと主審が話すだけではなく、ピッチ上で主審と副審が会話をすると同時にVARとアシスタントVAR(AVAR)が確認作業のため話すなど、様々な人物の言葉が入り乱れる状況になる。
もっともラグビーやアメリカンフットボールではリアルタイムに審判音声を放送しているが、「サッカーは判定プロセスが違う」と同一に語ることはできないことを強調。また、サッカーは他競技に比べて審判員への目が厳しいことを指摘して「全員がすべての判定に虫眼鏡を当てて、メディアがすべての言葉を分析する」ことにより、会話音声を生公開すると審判員が受けるプレッシャーが増えて誤審に繋がる懸念も示した。
なお、IFABはFIFA主催大会でVARレビュー後に主審が判定内容をアナウンスすることを試験導入している。これは判定の透明性とファンの理解を高めることが目的であり、会話音声を生放送する準備は「できていない」そうだ。
Source: 海外サッカー
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