日本代表MF鎌田大地(ラツィオ)が合流初日の14日、報道陣の取材に応じ、自身のコンディションについては「膝はもう痛みがないので問題ない」と万全を強調した。鎌田は膝の負傷により10月シリーズの招集を見送られていたが、9月の欧州遠征以来の代表復帰となっていた。
もっともコンディションが整ってきた一方、所属クラブでは難しい時期が続いている。セリエAに場を移して1年目の今季、シーズン序盤は先発出場が続いてゴールやアシストも記録していたが、9月下旬の第5節以降は8試合連続のベンチスタート。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)では2試合に先発するも、本領発揮には至っていない。移籍1年目で適応の難しさもあるだろうが、鎌田自身は「戦術理解に関してはもう慣れているし、言語の問題もそんなに問題ないと思っている」と強調する。
いまは所属8シーズン目で絶対的主軸のMFルイス・アルベルトとのポジション争いを繰り広げる立場。「自分自身の実力の部分が足りないというのもありつつ、チームとしてはルイス・アルベルトか僕かというふうになっているので、そこのポジション争いで勝つというのが一番難しいタスクだと思っている」と受け止め、「しっかり試合に出た時に数字を残したりだとか、少しずつ何か目に見えるものを残していくことが大事だと思う」と力を込めた。
出場機会から離れた状況でも「試合に出ている時よりは練習しないとダメなので家に帰ってやったりだとかはもちろんしている」とコンディション維持の取り組みは続けているといい、「サッカーをやっていたら難しい時期はあって当たり前」と冷静に現状と向き合う。「そういう時期もたくさん経験しているし、しっかりやっていけばチャンスを掴めると思うので、しっかりできることをやっていきたい」。まずは自らのパフォーマンスに目を向け、日々の鍛錬を続けていく構えだ。
そうした状況で試合感覚を養っていくには、日本代表でのプレーも好転のきっかけになりそうだ。「クラブであろうが代表であろうが、良いプレーをできたり、目に見える結果が残せると、自分自身にとっても自信がより増したり、良いフィーリングが出てくると思う」。今回のW杯予選2試合をそう見据えた鎌田は「代表のためにもクラブのためにも自分自身がそういうことができるのが大事かなと思う」と意気込んだ。
またチームとしては2026年のW杯で「世界一」という目標を掲げている中、一つ一つの試合を無駄にしない姿勢が問われる。鎌田も「最終予選だったりW杯だったり、今までやってきた相手よりは実力的には自分たちのほうが上にはなると思う」とは前置きしつつ、「2次予選は2次予選で戦う上で難しいところもある」と強調。チームとして成長していく必要性を語った。
「しっかり気を引き締めて、自分たちが上を目指していくなかでこういう試合も大事にして、自分たちが成長できるようにしていかないとダメだと思う。チームとしてやるべきことをみんなで共通理解を持って、自分たちがやるべきことを再確認したり、いろいろなことができると思う。チームとして成長できるようにしたい」
そうした成長過程にあるチームを、自身もピッチ上で後押ししていくつもりだ。トップ下ではMF久保建英(ソシエダ)が序列を上げており、10月シリーズからはMF南野拓実(モナコ)も代表復帰を果たすなど、ポジション争いが白熱中。それでも合流初日の14日には久保と笑顔でランニングする姿が見られるなど、ピリピリムードは全く見られない。
「前に関してはすごくいい選手がたくさんいると思うし、もちろん強豪国になればなるほど起こりうることだし、普通のこと」。熾烈なポジション争いにも冷静に言い放った鎌田は「自分自身もそこに入っていけるようにしっかりやっていきたいと思う」と静かに意気込んだ。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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